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2008年01月30日

日本高血圧学会、「特定健診・保健指導」に向けて提言

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 日本高血圧学会はこのほど、特定健診・保健指導に向けた学会方針を提言としてまとめ、ホームページ上に掲載した。

 厚生労働省が提示する「標準的な健診・保健指導プログラム(確定版)」を補完するのが目的で、プログラムで明確になっていなかった家庭血圧の利用や、軽症高血圧の層別化などについてまとめた。

 提言では、1. 診断基準について、2. 血圧測定法、3. 家庭血圧値の応用、4. 受診勧奨について―の4項目を示し、「受診勧奨」「情報提供」「積極的支援・動機付け支援」を行う症例の区分けを明確にした。健診の結果を総合的にみて判定する医師の理解を促し、特定健診・保健指導の円滑な実施を支援・協力する考えだ。

 特定健診における受診勧奨は、140/90mmHg以上を基準値としている。これに対し、「高血圧の基準値であり、保険診療を考慮しても矛盾はない」として、「140〜159/90〜99mmHgの軽症高血圧の場合、糖尿病や腎障害の合併症がない場合には、直ちに薬物療法をすすめているわけではない」と説明した。

 受診勧奨を含めた血圧管理の方針の主な内容は次の通り―

*収縮期血圧(心臓が収縮して血液を送り出したときの血圧。最高血圧)/拡張期血圧(心臓が拡張したときの血圧。最低血圧)
160/100mmHg以上の中等症高血圧以上
→ ただちに受診勧奨

140〜159/90〜99mmHgの軽症高血圧
糖尿病、腎障害等がある高リスク
→ ただちに受診勧奨
心血管疾患の危険因子が1つ以上ある中等リスク以上(メタボリックシンドロームに合致する場合を含む)
→ 心血管リスクの立場から受診勧奨
低リスク
→ 高血圧であること、生活習慣改善が必要であること、家庭血圧135/85mmHg以上になったら受診勧奨すること、を含めて情報提供
 また、130〜139/85〜89mmHgで糖尿病、腎障害がある場合には受診勧奨とした。

日本高血圧学会


 糖尿病と高血圧はたがいに影響しあい動脈硬化が進行しやすくなり、また高血圧により糖尿病性腎症が急速に進む。糖尿病の人にとって高血圧の治療は重要だ。
 医療機関での検査や家庭での血圧測定の意味について、下記ページで詳しく解説している。
糖尿病Q&A1000-検査に関するクエスチョン
[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所

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