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2007年07月17日
時計の針を戻そう:中年以降の生活改善が恩恵をもたらす
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中年以降に「野菜や果物を毎日5サービング以上とる」、「運動を習慣として行う」、「適正な体重を維持する」、「喫煙しない」という4つの健康的な生活習慣を守り続ければ、心疾患(CVD)などの死亡リスクを大きく減らすことができるという研究結果が、米医学誌「American Journal of Medicine」7月号で発表された。
この研究は、米国で行われた「時計の針を戻す研究(the turning-back-the-clock study)」を基にしており、サウスカロライナ医科大学のDana E. King博士らによって発表された。 アテローム性動脈硬化症の発症リスクを調査した試験に参加した45歳から64歳の成人を対象に、4年間の追跡調査を行った。 1万5,708人の参加者のうち、毎日とっている野菜や果物は平均3.8種類、1週間に運動を2.5時間以上行っている人はおよそ半分、およそ3割は肥満者か喫煙者だった。 初診で4つの健全な生活習慣を守っていた人は8.5%(1,344人)しかいなかった。45歳以降に生活習慣を変えた人は8.4%(970人)だった。
生活習慣の改善は中年以降に始めても遅くない
調査の結果、たった4年間という調査期間だけでも、この4つの生活習慣を守った人は、守らなかった人に比べて、心疾患などをきたす割合が35%、死亡リスクが40%低下したことがわかった。
また、45歳以降に生活習慣を改善したことによる恩恵も大きいことがあきらかになった。だだし、4つの生活習慣を守った場合だけ有効で、3つだけの場合は死亡率は低下したが心血管疾患のリスクは低下しなかった。
健康に良い生活習慣(食生活の改善、運動、禁煙)が、心疾患や2型糖尿病などのの発症リスクを低下させることがこれまでの研究で確かめられている。研究者らは「健康な生活は最も強力な薬となる。中年以降に生活改善を始めても“遅すぎるということはない”ことがあきらかになった」と述べている。
●詳しくは「American Journal of Medicine」のサイトへ(英文)
[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所