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2007年04月20日

ナノテクを使った超小型インスリンポンプ 従来の4分の1の大きさ

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 スイスの医療機器ベンチャー企業Debiotech社と、半導体企業のSTマイクロエレクトロニクス社は、独自の超小型インスリン注入ポンプの製品化と市場投入を目的とした協業契約を締結したと発表した。


 使い捨てタイプの超小型インスリン・ポンプ「Insulin Nanopump」は、Debiotech社のインスリン注入技術と、マイクロ流体デバイスを大量生産できるSTマイクロエレクトロニクス社の強みを組み合わせることで実現した。

 マイクロ流体テクノロジーによりごく微量の流体の流れを電気的にコントロールすることができ、インスリンの投薬量をナノリットル(10億分の1リットル)レベルで管理することができるという。この技術により、Debiotech社は2006年にSwiss Technology Awardを受賞した。

 インスリン・ポンプの大きさは既存の約4分の1で、パッチはほとんど目に付かず皮膚に装着することができる。小型化によって患者はポンプを固定したり服の下に隠したりする必要がなくなる。

 このナノポンプは、医療費の点でも有利で、患者や医療機関は現在のインスリン持続皮下注入法(CSII)療法で必要とされる先行投資の「必要がなくなる」という。

 サンプルはすでに生産されており、2社による完全に実用化された製品が2008年に世界の一部の市場で入手可能になる予定としている。

 CSII療法の世界市場は成長しており、2004年の8億ドル(950億円)から2009年には16億ドル(1,900億円)に拡大すると予想されている。

 「Nanoject」という極めて細い針の開発も進められている。Nanojectは太さが39ケージに相当する針を5列ずつ並べたもので、皮下注入するときの流体抵抗の合計は24ケージの針と変わらないという。

Debiotech社のサイト

詳しくはSTマイクロエレクトロニクス 日本法人会社 のサイトへ(プレスリリース)
Debiotech社のサイトへ(英文)
[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所

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