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2006年03月07日
健康食品を利用するときの注意点
- キーワード
どのような食品を「健康食品」というのか
健康食品は「健康によい」として売られている食品すべてが該当する。多くはふだんの生活で不足しがちな栄養素を補うもので、独立行政法人国民生活センターは「消費者が健康に良いと積極的な効果を期待して摂取する医薬品以外の食品」としている。
この中で、厚生労働省が健康増進法に基づき特別な用途に使用することを認定した食品が「特別用途食品」で、病者用食品、妊産婦・授乳婦用粉乳、乳児用調整粉乳、高齢者用食品、特定保健用食品がある。厚生労働大臣の許可を受けて内容を表示し、承認マークが付けられている特別用途食品マーク | 特定保健用食品(トクホ)マーク |
健康食品の利用が増えている背景に、糖尿病などの生活習慣病の有病者数が増え、健康についての関心が高まっていることが挙げられる。健康被害が問題になっている「健康食品」は、こうしたブームに便乗した“粗悪品”で、海外から輸入され販売されるケースも多い。 医薬品、医薬部外品などを営業目的で購入し販売する場合は、薬事法により厚生労働大臣または都道府県知事の許可が必要となるが、個人が自分で使用するために海外から輸入したり持ち帰る場合は、厚生労働大臣などの許可は必要にならないことが、未承認の医薬品販売の増加につながっている。
健康食品についてのアドバイス
独立行政法人 国立健康・栄養研究所は、「健康食品」の安全性や有効性について情報を公開し、健康食品はあくまで食生活の補助的なものであり、病気やからだの不調を治すものではないと注意を呼びかけている。さらに、医学や栄養学の新しい知見を元に、現時点で得られている科学的根拠に基づいて作成した安全性・有効性データベースの公開を始めた。新たに信頼できる科学的知見が得られれば情報の訂正・修正を行うという。
健康食品を利用するときの注意点をまとめると次の通りになる。
- 広告、チラシの内容は、冷静になって見直しましょう。
- 健康食品を過信するのはやめましょう。
- 個人輸入などで、外国から購入するときは注意しましょう。
- 体調不良を感じたら、すぐに利用をやめて医療機関を受診しましょう。
- 気になったことは、医師や薬剤師などに相談しましょう。
製品を選ぶ際には、表示や広告をよく確認しましょう。不審に思うことがあったら、販売店やメーカーに科学的根拠となるデータがあるかを確認しましょう。
基本は栄養バランスのとれた食事を規則正しくすることです。普段の食生活で足りない栄養素があるか、もう一度確かめることが大切です。特定の成分の過剰摂取にも注意が必要。
国によって、医薬品と食品の範囲が異なるため、日本で医薬品として扱われる成分を含むものもあります。個人輸入やインターネットオークションを利用する際には、特に情報の確認が必要です。
健康食品が体質に合わないこともあります。
処方された薬と健康食品を併用すると、薬の効果を強めたり弱めたり、思わぬ悪影響が起こることがあります。また、健康食品には治療効果はないので、服用している薬の代わりにはなりません。
健康食品に医薬品のような誤認を与える表示があったり、食品衛生について不安がある場合は、最寄りの保健福祉事務所に相談しましょう。
「健康食品」の安全性・有効性情報
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参考となるサイト
●「健康食品」の安全性・有効性情報(独立行政法人 国立健康・栄養研究所)
(1)最新ニュース、(2)健康食品の基礎知識、(3)安全情報・被害関連情報、(4)話題の食品成分の科学情報、(5)「健康食品」の素材情報データベースなどが公開されている。
「健康食品」による健康被害
「健康食品」や「サプリメント」と称する製品の摂取が原因と疑われる健康被害が多発し、社会問題になっている。
糖尿病について、これまでに‘血糖値を下げる’‘糖尿病に良い’といった標榜を添えて販売されていた健康食品から、医薬品としての承認があるグリベンクラミドが検出され、利用者が低血糖の症状を示した事例が報告されている。グリベンクラミドは血糖降下剤として糖尿病の治療に使用されている。
今年3月には、‘糖尿病に効果がある’‘血管が若返る’などと効能を
健康食品の被害をデータベース化 日本医師会
健康食品による被害が増えているのを受け、日本医師会は「食品安全に関する情報システム」事業を来年度から始めると発表した。
医師が診察時に見つけた健康被害について情報を集めデータベースを作成し、会員である医師に注意を呼びかけるというもので、被害件数や重症度、緊急度などをみて、集まった情報を5段階に分け会員向けのホームページに表示し、症例や対処方法などの確認に役立ててもらう。
特定の食品について被害が集中した場合には、厚生労働省へ通報し被害拡大の防止に努める。来年度から、東京都医師会と都が始める事業を支援するなど、いくつかのモデル事業を展開する。
健康食品による被害が増えているのを受け、日本医師会は「食品安全に関する情報システム」事業を来年度から始めると発表した。
医師が診察時に見つけた健康被害について情報を集めデータベースを作成し、会員である医師に注意を呼びかけるというもので、被害件数や重症度、緊急度などをみて、集まった情報を5段階に分け会員向けのホームページに表示し、症例や対処方法などの確認に役立ててもらう。
特定の食品について被害が集中した場合には、厚生労働省へ通報し被害拡大の防止に努める。来年度から、東京都医師会と都が始める事業を支援するなど、いくつかのモデル事業を展開する。
●食品安全情報〜食品の安全性の確保を通じた国民の健康の保護のために〜(厚生労働省)
●「賢く選ぼう 健康づくりのための食品の表示」(厚生労働省/PDFファイル)
[ DM-NET ]
日本医療・健康情報研究所