ニュース

2005年07月25日

妊娠糖尿病は積極的に治療したほうがいい

キーワード
 妊娠中の女性に耐糖能異常がみつかり妊娠糖尿病(gestational diabetes mellitus:GDM)と診断された場合には、血糖コントロールが不良であると生まれてくる児に異常が出る確率が高くなるので、妊娠中の治療と管理が重要と言われている。積極的に治療を行うと、出産時の障害が少なく児も丈夫になるという研究が、医学雑誌「The New England Journal of Medicine」6月16日号に発表された

 この研究を行ったのは、オーストラリアのアデレード大学の産婦人科学や公衆衛生学の研究者たち。糖尿病と診断された妊娠24〜34週の妊婦1000人を2群に分け、490人に血糖測定、食事指導、インスリン療法などで積極的に治療を行った。残りの510人には、通常の妊娠期の管理を施した。

 その結果、積極的治療の群では死産はなかったが、通常管理の群からは死産が3件、乳児期の死亡が2件あった。また、母親が糖尿病をもつ場合、異常体重児(出生時の体重が8ポンド=3600グラム以上)が生まれることが多く、難産や分娩障害など母児にさまざまな問題を起こすおそれがある。この点も調べたところ、異常体重児は通常管理の群では全体の21%だったが、積極的治療の群では10%に抑えられた。

 分娩後3カ月に573人に女性としてのクオリティ・オブ・ライフについて調査したところ、積極的に治療を行った群では良好な結果が得られる傾向があった。

詳細は「The New England Journal of Medicine」のサイトへ(英文・概要)

[ DM-NET ]
日本医療・健康情報研究所

play_circle_filled 記事の二次利用について

このページの
TOPへ ▲