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2003年08月06日

「糖尿病が強く疑われる人」は約740万人

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平成14年度 糖尿病実態調査

 厚生労働省は平成9年に続く2回めの調査「平成14年 糖尿病実態調査」を発表した。「糖尿病が強く疑われる人」(HbA1Cが6.1%以上か、現在治療を受けている人)や、「糖尿病の可能性を否定できない人」(HbA1Cが5.6%以上6.1%未満で現在治療を受けていない人)の推計値、糖尿病に関する情報の入手方法、合併症の頻度などを調べたもの。調査対象は20歳以上の5,792人で、男性2,369人、女性3,423人。

糖尿病の患者数

糖尿病有病者の年次推移
  平成14年 平成9年
「糖尿病が強く疑われる人」 約740万人 約690万人
「糖尿病の可能性を否定できない人」 約880万人 約680万人
「糖尿病が強く疑われる人」と
「糖尿病の可能性を否定できない人」の合計
約1,620万人 約1,370万人

 「糖尿病が強く疑われる人」は男性の12.8%、女性の6.5%、「糖尿病の可能性を否定できない人」は男性の10.0%、女性の11.0%だった。
 これを現在の人口にあてはめると、「糖尿病が強く疑われる人」は約740万人と推計され、平成9年調査の約690万人よりやや増加している。
 「糖尿病の可能性を否定できない人」は約880万人と推計され、平成9年調査(約680万人)から5年間で200万人増えている。両者を合計すると約1,620万人で、成人の6人に1人は糖尿病かその予備群であることがわかる

治療状況
 「糖尿病が強く疑われる人」の中で「現在治療を受けている」と答えた人は、男性で52.4%、女性で48.3%、男女計で50.6%だった。平成9年調査(45.0%)より割合がやや高くなった。
 また、「糖尿病が強く疑われる人」のうち健診を受けたことがある人の半数以上は現在も治療を受けている一方で、健診を受けたことがない人では9割近く(89.4%)が治療を受けておらず、自覚症状の乏しい糖尿病では、住民健診や職場健診が治療を始めるうえで欠かせないことがうかがえる。

検査で異常を指摘された後の医療機関への受診・治療
 糖尿病の検査で「糖尿病」または「境界型」と言われたことがある人のうち、その後に「医療機関を受診しなかった」と答えた人は約3割、「医療機関を受診し、現在治療を受けている」と答えた人は約4割、「医療機関を受診し、ほとんど治療を受けたことがない」と答えた人は約2割だった。

糖尿病合併症の頻度
 糖尿病が強く疑われ、現在治療を受けている人の中で、神経障害(手足がしびれる、感覚が鈍くなる)は15.6%、糖尿病性腎症(尿たんぱくが出ているなど)は15.2%、糖尿病性網膜症(眼底に出血がある、視力の低下など)は13.1%、足の壊疽は1.6%の人にみられた。

心臓病、脳卒中の状況
 また、60歳以上で「糖尿病が強く疑われる人」の20.5%に心臓病が、10.6%に脳卒中があり、「糖尿病の可能性を否定できない人」でも13.2%に心臓病が、7.7%に脳卒中があった。「正常範囲」の人の心臓病 12.3%、脳卒中 6.6%に比べ高い割合になった。

情報入手方法
 糖尿病の予防や治療に関する情報源は、男性では、テレビ・ラジオ63.7%、新聞33.0%、病院・診療所25.8%、健診・人間ドック25.2%、友人・知人24.8%、雑誌・本23.8%などの順。
 女性では、テレビ・ラジオ74.1%、新聞35.9%、雑誌・本33.1%、友人・知人31.3%、病院・診療所20.8%、健診・人間ドック16.7%などとなっている。ちなみにインターネットは男性で2.4%、女性で1.3%。

糖尿病についての知識
 糖尿病に関係する記述について、正しいか間違っているかを尋ねた調査では、概ね正しい回答をした人が多いものの、「軽い糖尿病の人でも、狭心症や心筋梗塞などの心臓病になりやすい」に対し46.1%の人が‘わからない’と答えていて、予備群に関しては情報があまり周知されていない状況。
 また、「糖尿病の人は、血圧が高い人が多い」にも41.1%が、「糖尿病の人は、傷が治りにくい」に39.1%の人が‘わからない’と答えている。「太っていると、糖尿病になりやすい」に対しては、57.9%が‘正しい’と答えたものの、‘間違っている’と答えた人も24.0%にのぼった。

●詳細は厚生労働省のサイトへ
 平成14年度 糖尿病実態調査報告

関連情報
肥満の程度が高くなるほど、糖尿病が増える

[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所

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