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2009年03月11日
納豆とチーズは「タンパク質のなかの王様」
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- 食事療法

納豆の原料となる大豆は良質な蛋白質の供給源となっているが、納豆では納豆菌が繁殖し酵素がつくられ、大豆の蛋白質や脂質、糖質などを分解するため、より消化吸収にすぐれている。納豆菌のはたらきによりビタミンB群の含有量も増え、不足しがちな食物繊維やカルシウム、マグネシウムも含まれる。
蛋白質は牛肉、豚肉、卵、ソーセージ、ハムなどからもとれるが、これらには飽和脂肪酸という脂質が含まれる。飽和脂肪酸をとりすぎると、LDLコレステロール(悪玉コレステロール)など血中の脂質が高くなりやすいので、動脈硬化の予防上好ましくな

酸素が化学的に活性になった状態にある活性酸素は強力な酸化作用をもち、細胞などを傷つけ、高血糖や高血圧、動脈硬化から引き起こされる心疾患などさまざまな病気の発症に関連があると考えられている。納豆には活性酸素を抑えるイソフラボン、ビタミンEが含まれ、活性酸素を消す作用のある酵素も存在する。
また最近の研究では、納豆菌に殺菌、整腸作用があり、納豆の摂取で腸内の乳酸菌が増えると、胃潰瘍の原因とされるピロリ菌やO-157を減少することが報告されている。

納豆に比べチーズは脂質やナトリウム(食塩)が多い。プロセスチーズ 20gに食塩相当で0.5gが含まれるが、納豆にはほとんど含まれない。またチーズには食物繊維はほとんど含まれない。
「牛乳を飲むとおなかの具合が悪くなる」という人がいるが、これは牛乳に含まれる乳糖を分解・消化できないために引き起こされる。乳糖を含む食品は牛乳のほかに、アイスクリーム、ヨーグルト、バター、チーズなどがある。このうちチーズは、その製造の過程で乳糖が乳酸菌のエネルギー源となり減少する。そのため、よく熟成させたチーズでは乳糖が少ない。
そのほかチーズにはカルシウム、ナトリウム、リン、鉄、カリウムなどミネラルも豊富に含まれている。なお、クリームチーズは脂質の含有量が多いので、注意が必要。
また、蛋白質の多い食品は、腎症がある人では制限が必要となる。必ずかかりつけの医師や管理栄養士に相談したい。
参考サイト
全国納豆協同組合連合会 納豆PRセンター
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