糖尿病セミナー

21. 食事療法のコツ(2) 外食

2014年4月 改訂

一週間の外食メニューを作ってみる

 ここまでは、各メニューごとに工夫の仕方をみてきました。それでは家庭でとる食事との組み合わせで食事療法を考えてみましょう。月曜から金曜までの外食メニューを作り、それで食事療法がうまくいき、血糖値がコントロールされているようなら、そのパターンを基本にしてゆけばよいのです。ここでは、1日20単位(炭水化物55%)の人が、外食に焼き魚定食を食べるケースで考えてみます。なお、この配分は一例です。各表の配分の増減は、医師、栄養士に相談してください。

朝食  朝食はごはんかパンか、どちらか一つのパターンで通したほうが、残り2食の食べ方が簡単になります。ここではパンのケースで考えてみました。
●朝食



昼食  昼食はさばの焼き魚定食です。全部食べると表1と表3を多くとり過ぎますので、ごはんと魚を少し残します。
●昼食



夕食  昼が魚だったので、夕食には肉を使ってみましょう。この日は表5をまだ0.2単位しかとっていないので、油を使えます。豚肉と野菜の炒め物などはいかがでしょう。比較的カロリーの低いモモ肉なら、肉を多く使えます。
 なお、フルーツのいちごには砂糖4グラムをかけますが、砂糖をかけない場合はその分を野菜炒めの味付けとして、ケチャップ12グラムを使うことができます。
●夕食
 ※表6は1日の合計360グラムで1.2単位

―作り方
1. 豚肉は薄切りにしておく。いかはたんざく切りにして、さっとゆでる。野菜を適当な大きさに切っておく。
2. 油を熱し豚肉といかを炒めて一旦取りだし、野菜を炒めて水を少々加えながら煮る。
3. 塩で味付けし、豚肉、いかを加える。


※このページの内容は、日本糖尿病学会編・著『糖尿病食事療法のための食品交換表 第7版』(日本糖尿病協会/文光堂 2013年発行)に基づき、一部を引用し作成しています。
日本糖尿病学会編・著「糖尿病食事療法のための食品交換表」に関する記載・記述については、一般社団法人日本糖尿病学会の引用許可を得ています。
転用などを行う場合は必ず、該当する部分のデータあるいはプリントアウトを添付するなどして、同学会の引用許可を得てください。

外食を楽しむ知恵、いろいろ

どんぶり物より定食のほうが栄養のバランスをとりやすい。
目安量がつかみやすい、食材の形が生かされたメニューを選ぶ。
外食での栄養の偏りは、家庭の料理で調節。
自分で積極的に料理をして料理好きになろう。
天ぷらやフライなど、油が使われている料理は、高カロリーなのでなるべく控える。衣をとって食べるのもよい。
外食のガイドブック(料理の写真付きのもの)などを携帯するのもよい方法。
目安量の確認にハンディータイプの秤が便利。
糖尿病の人は禁酒が原則。飲酒は主治医に相談を。
残業するときは、夕方にクッキーと牛乳などの軽食をとり、その分は夕食で調節する。
宴会はなるべく避けたほうがよいが、参加する日は昼食を少なめに。

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