糖尿病セミナー

19. 糖尿病の検査

2014年4月 改訂

こんな検査も必要です

ケトン体検査

 ケトン体は、インスリンの作用不足でブドウ糖をエネルギー源として使えないとき、からだが脂肪分をエネルギーに変換する結果、発生する物質です。
 尿にケトン体が出ているかどうかは試験紙で簡単に調べられます。陽性なら、からだの中でブドウ糖の利用が少なく、脂肪がエネルギー源として利用されているということです。さらに正確に調べる場合は、血中ケトン体を測ります。
 ケトン体検査は、1型糖尿病ではとくに大切な検査です。また、シックデイ(感染症などの糖尿病以外の病気にかかったとき)には、インスリンの作用がいつもより低下して、ケトン体が出やすくなります。

膵臓の働きを調べる検査

 採血による血中インスリン濃度検査や、24時間分の尿からインスリン分泌量を調べるC-ペプチド検査などがあります。

合併症の検査

 糖尿病に多い合併症の網膜症、腎症、神経障害対策として、眼底検査、尿中アルブミン測定、腱反射テストなどが行われます。合併症の多くは動脈硬化などの血管系統の障害によって起こるので、血圧やコレステロール、中性脂肪、心電図などの検査も大切です。

定期的な検査を忘れずに

 このように、糖尿病の治療には数々の検査が必要です。それらのすべては、より良い血糖コントロールを維持し、合併症を進行させないためのものです。各検査の意味と目標値をよく理解し、そして自分の検査値を記録し、自分でからだの状態を把握していくことが必要です。
 糖尿病は検査の病気です。忙しくて検査に行く暇がないとか、まだ大丈夫なはずだなどと勝手な理由をつけず、定期的な検査を忘れずに受け、コントロール状態を確認して、病気を進行させない努力をしましょう。

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