糖尿病セミナー

16. 糖尿病と脳梗塞・心筋梗塞

2014年11月 改訂

毎日の生活の中でできる発作予防

タバコをやめる

 タバコを吸うと、ニコチンによりアドレナリンというホルモンの分泌が促進され、心拍数が増えたり動脈の収縮が起こり、血圧が上昇するほか、血管壁の細胞を傷つけます。また、喫煙により発生する一酸化炭素は赤血球と結びつきやすく、血液が酸素を運搬する能力を減らします。健康な人であれば、血流を増やして必要な酸素を供給することができますが、動脈硬化が進んで動脈が狭くなっている人は十分に対応することができません。
 このような、喫煙による血圧上昇、動脈硬化促進、それに酸素運搬能力の減少が、脳梗塞・心筋梗塞の頻度を高めます。タバコは直ちにやめることです。

お酒は飲まないか、少量にとどめる

 アルコールは少量なら動脈硬化の予防に働く可能性も示されています。しかしその量は1日にビール中瓶1本程度で、これを超えると逆に危険性のほうが大きくなります。

ストレスを溜め込まない

 過度のストレスや緊張状態も血圧を上昇させ、脳梗塞・心筋梗塞を引き起こす原因となります。ストレスの上手な解消法を身につけ、リラックスする時間をもつようにしましょう。また、競争心が強くて何でも一人でやり遂げようとする人は、心筋梗塞などになりやすいと言われています。たまに自分を客観的に見つめ直してみましょう。

定期的に検査を受ける

 動脈硬化の進行状態を超音波で計測する方法や、脳や心臓の断面をみることができる MRI、CT など、現在はさまざまなな検査法があり、脳梗塞や心筋梗塞の危険性を予め知ることができます。症状がなくても60歳を過ぎた頃から、年1回は検査を受けましょう。脳梗塞や心筋梗塞は遺伝的な影響がある病気なので、身内にこれらの病気の人がいれば、とくに検査を忘れないようにしてください。

お風呂やトイレの注意

 気温が急に変化すると、交感神経が緊張し血管が収縮して血圧が急に上がったりして、発作を誘発することがあります。お風呂に入る前に、浴室や着替えのスペースを他の部屋と同じ温度にしておきましょう。また、湯加減はぬるめにして、あまり長湯しないようにしましょう。トイレで力むのもよくないので、便秘しがちな人は医師に相談して整腸薬などを処方してもらってください。

血液をサラサラにする食事、運動、薬

コレステロールの多い食品
食 品 名1回に食べる量 g (めやす)コレステロール量(mg)
いか100(1/3杯)300
鶏卵50(1個)235
卵黄18(1個分)234
するめ20196
とりもつ50185
うなぎ80(1串)160
ししゃも40(2尾)135
わかさぎ70(3尾)133
豚レバー50125
牛レバー50120
エビ60(フライ用2尾)114

コレステロールと塩分を控えめに

 食事では、コレステロールの多い食品を控えましょう。肉料理は減らし、その分、コレステロールを下げる働きのある食物繊維が豊富な野菜・きのこ・海藻類や青魚を増やしましょう。料理に使う油は植物性のもの(オリーブ油など)にしましょう。また、血圧コントロールのために塩分を減らしましょう。

適度な運動で内臓脂肪解消、血行改善

 運動には動脈硬化の原因となるコレステロールや血圧、血糖値などを同時に下げる働きがありますし、血行を改善して梗塞を防いでくれます。メタボリックシンドロームのおおもとである過剰に溜まった内臓脂肪の解消には最も有効です。
 しかし今までなにもしていなかった人が急に無理な運動を始めると、逆に脳梗塞や心筋梗塞を起こす危険もありますから要注意です。主治医に相談し検査を受け、運動の種類や量、強さなどを決めてもらいましょう。運動の種類としては、早歩きやジョギングなどの全身を動かすような運動が良いでしょう。

処方された薬は勝手に中止しない

 検査などで動脈硬化が進行しているとわかったとき、発作の予防のために薬が処方されることがあります。この薬は血糖値や血圧などと異なり、効果を数値で確認しにくいので必要性を実感しにくいものですが、自己判断で服用を中止しないようにしてください。

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