災害に備えて

2005年12月19日

糖尿病患者さんのための「災害手帳」

「災害に負けないために―糖尿病の方へ―」
兵庫県立大学 21世紀COEプログラム
ユビキタス社会における災害看護拠点の形成

 兵庫県立看護大学が開学して2年目に起きた阪神・淡路大震災を契機に、被災地に立地していた教員の方々により、被災直後から被災者の健康状態や生活問題の実態調査、被災者への援助や被災地の復興に関する研究、また阪神・淡路大震災以後多発しているさまざまな災害について行われた調査をもとにしています。
 兵庫県立大学看護学研究科21世紀COEプログラム「ユビキタス社会における災害看護拠点の形成」(拠点リーダー・山本あい子教授)として、災害発生後から人々の健康生活再生への看護ケア方略を開発・情報連携ネットワークの構築が進められています。

 その取り組みのひとつとして、災害が起きた際、いつもと違う自分の心身の不調に気づき、できるだけ早くご自身で対処(セルフケア)できるようにと、過去の災害時の実態調査に基づき「災害手帳(ケアパッケージ)」を作成、ウェブ上で公開しています。

 ここでは、糖尿病透析リウマチ慢性呼吸器疾患など、それぞれの疾患ごとに災害後の「身体のセルフケア」「精神健康状態の変化」「病気の悪化の予防」「くすりの管理」「避難のための備え」などについて詳しく書かれています。

 特に、災害によるストレス、栄養の悪化、薬が十分に使えない等、血糖コントロールの乱れによる糖尿病の悪化を示す症状チェックやその解説は非常に参考になります。また、慢性疾患をお持ちの方向け以外にも、妊婦さんや子育て中のお母様方が、災害に備えてどのような備えをしたらよいのか、現在の備えに対するチェックなど、さまざまな情報を得ることができるようになっています。

 これを機会にぜひ、ご家族や周囲の方々と、“災害時の備え”について話し合ってみてください。

21世紀COEプログラム
 文部科学省が全国の大学の研究水準向上を促すために公募で「研究拠点形成費補助金」を出して研究を助成する事業。
» 独立行政法人日本学術振興会

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