糖尿病Q&A1000

Q.975 二十年来の糖尿病ですが、私の場合、胃潰瘍で胃を3分の2取っていますので、食後の血糖値がかなり高く、そのために毎食前にα-グルコシダーゼ阻害薬と速効型インスリン分泌促進薬を飲んでいます。一方、やはり胃切除のせいか、食後の胃の調子が良くないので、消化剤をよく飲んでいます。しかし以前に何かの本で、α-グルコシダーゼ阻害薬と消化剤は一緒に飲んではいけないということを読んだのですが、本当でしょうか。もしそうだとしたら、私のようにどうしても消化剤も必要な場合は、どのようにしたら良いのでしょうか。

 α-グルコシダーゼは炭水化物(多糖類)が腸で吸収されるように単糖に分解する酵素です。α-グルコシダーゼ阻害薬はその酵素の働きを邪魔する(阻害する)ことで、糖の消化吸収を遅らせ、食後血糖値の上昇を抑えます。一方の消化剤は、消化吸収を促進するための薬ですので、両者の作用が打ち消し合うことになります。ご質問によると、ご自身で消化剤をお求めになって服用しているようですので、まず医師にご相談なさってみてください。
 対応の一つとして、二つの薬の服用のタイミングに時間差を設ける方法が考えられます。α-グルコシダーゼ阻害薬は食事の直前に飲まないと意味がないので、これはそのまま飲み、食後少し時間がたってから、消化剤を飲む、などの方法です。
「HbA1cが6.5〜7.0から下がらない」とのことですが、お年が78歳ということもあり、治療目標を十分達成していると思っていただいてわないのではないでしょうか。
2006年05月24日

※ヘモグロビンA1c(HbA1c)等の表記は記事の公開時期の値を表示しています。

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13 読者の質問コーナー [Q.956-1000]のQ&A

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