糖尿病Q&A1000

Q.891 インスリン療法の場合は時差にどのように対応するのですか?

 食後の高血糖を抑えるために打つインスリン(速効型や超速効型のインスリン)は、いつもと同じように毎食前に打ちます。作用時間が長いインスリンは、時差を考慮しないと作用が途中でとぎれて高血糖になったり、逆に作用が重なって低血糖になったりします。次のような計算で注射量を調整する方法もあります。
    東周りのフライト(アメリカやカナダなど):
     1日が短くなるので、時差の分だけ注射量を減らします。
    〔通常のインスリン量×(1−時差÷24)〕
     例:時差が10時間で、いつもは8単位注射している場合
        8×(1−10÷24)=約4.5単位
    西周りのフライト(ヨーロッパやアジアなど):
     1日が長くなるので、時差の分だけ注射量を増やします。
    〔通常のインスリン量×(1+時差÷24)〕
     例:時差が10時間で、いつもは8単位注射している場合
        8×(1+10÷24)=約11.5単位
 もちろんここでお話しした方法は一般的な考え方です。実際にどうするか(例えば混合製剤を使っている場合など)は、出発前に主治医に尋ねておいてください。事前に機内食が出される時間帯を航空会社に問い合わせておき主治医に伝えると、より的確なアドバイスがもらえると思います。
2006年05月24日

※ヘモグロビンA1c(HbA1c)等の表記は記事の公開時期の値を表示しています。

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