糖尿病Q&A1000

Q.741 でも、自覚症状がないということは、小児・若年者2型糖尿病は小児・若年者1型糖尿病よりも軽いタイプの糖尿病だと思っていいですね。

 インスリンの自己分泌がどの程度残っているのかという点に限って言えば、小児・若年者2型糖尿病は1型糖尿病より「軽い」と言ってもよいでしょう。しかし、糖尿病が「軽い」か「重い」かは、いろいろな角度から判断でき、判断する角度が異なれば答えが正反対になることもあります。
 例えば2型糖尿病でインスリン自己分泌は十分あるのにもかかわらずインスリン抵抗性のために高血糖になっていて、それをしっかり治療せずにいた場合、いずれ合併症が起きてしまいます。合併症が進行した状態は、たとえインスリン分泌は残っていても、一般の方が言う「軽い病気」の概念からはかけ離れたものです。
 一方でインスリン分泌がほとんどなくなる1型糖尿病でもしっかり治療を続けて血糖コントロールを良好に保っていれば合併症は発病・進行せず、一般の方から見ればいたって健康な状態を維持できます。
    ※インスリン抵抗性:インスリンを受け取る身体の細胞が、インスリンに対して感度が鈍くなること。インスリン抵抗性があると、インスリン分泌は足りているのに高血糖になります。
2006年05月17日

※ヘモグロビンA1c(HbA1c)等の表記は記事の公開時期の値を表示しています。

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09-3 小児・若年者2型糖尿病についてのQ&A

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