糖尿病Q&A1000

Q.528 シックデイに注意が必要なケトアシドーシスとはなんですか?

 ケトアシドーシスについては、Q.438でも解説しましたが、ここでもう一度お話しします。
 糖尿病は端的にいうと「インスリンの作用が低下する」病気です。そしてQ.524で説明したように、シックデイにはふだんよりもさらにインスリンの作用が低下してしまいます。つまりシックデイは、糖尿病の重症度が一時的により強くなってしまう状態と表現できます。
 インスリンはブドウ糖を利用してエネルギーとして利用するときに必須のホルモンですから、シックデイのためにその働きがいつもよりも低下した状態では、エネルギーを作り出せなくなります。そこでからだの中では主に脂肪を分解することで、生命活動に必須のエネルギーを産生します。
 脂肪からエネルギーを作り出すときには、ケトン体という化学物質が発生します。ケトン体は尿などから徐々に排泄されますが、量が増えすぎると血液中に溜まり、ケトーシスと呼ばれる状態になります。そしてケトン体は酸性物資なので、本来は弱いアルカリ性である血液を酸性(アシドーシス)にしてしまいます。この状態をケトアシドーシスといいます。
2006年05月10日

※ヘモグロビンA1c(HbA1c)等の表記は記事の公開時期の値を表示しています。

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06 シックデイ対策を覚えておこう [Q.521-560]のQ&A

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