糖尿病Q&A1000

Q.443 糖尿病であればインスリンの濃度は低くなりますね。

 インスリンは分泌されるとごく短時間で使われるので、測定のタイミング次第で検査値が大きく変わります。健康な人では食事を摂るとインスリン濃度がすぐに高くなりますが、糖尿病だと高くなり始めるまでに時間がかかり、また高さも十分ではありません。とくに1型糖尿病で治療開始前の場合は、空腹時のインスリン値が低く、食後も低いままです。そのような状態ではすぐにインスリン療法を始めますから、その後はインスリン注射の量次第でインスリン濃度が上下します(1型以外の糖尿病でインスリン療法を行っている場合も同じことがいえます)。
 このように糖尿病ではインスリン濃度は低くなることが多いのですが、1型以外の糖尿病(おもに2型)では、インスリン濃度がそれほど低くなかったり、かえって高くなっていることもあります。その場合には、インスリン抵抗性のために高血糖になっていると考えられます。
 なお、インスリン抗体のある人ではインスリン濃度を正しく測定できず、結果が高く出ます(インスリン抗体は、インスリン療法を行っている人にまれに作られる場合があるほか、インスリン療法をしたことがなくてもインスリン抗体をもっている人もいます)。
2006年04月28日

※ヘモグロビンA1c(HbA1c)等の表記は記事の公開時期の値を表示しています。

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04 検査に関するクエスチョン [Q.412-480]のQ&A

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