糖尿病Q&A1000

Q.270 透析療法期には、どのように治療するのですか?

 腎臓の働きは透析療法に置き換えるので、他の合併症の進行防止が治療の主な目的となります。血糖コントロールと血圧コントロールは、引き続き大切です。
 透析を始めると、タンパク質の摂取制限はやや緩和されます。しかし、カリウムや水分の摂取量は引き続き管理が必要です。また、リンの摂取量を加減する必要性も出てきます。透析療法ではリンが排泄されにくく、副甲状腺機能亢進症(骨が弱くなるなどの障害が起きます)を招くためです。なお透析療法には、血液透析と腹膜透析という二つの方法があり、それに応じて食事療法の内容も少し異なります。
 透析療法は腎臓の働きのすべてを代行できるものではなく、赤血球を作るホルモンの分泌やビタミンDの活性化などは行えません。そこで、それらを薬物治療によって補います。
 透析療法期(または顕性腎症後期)の根本的な治療法は腎臓移植です。腎臓移植は脳死後だけでなく心臓死以後にも可能なので、脳死移植法が施行される以前から行われていましたが、国内ではそれほど多くは行われていないのが現状です。
2006年04月25日

※ヘモグロビンA1c(HbA1c)等の表記は記事の公開時期の値を表示しています。

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03-2 腎症のQ&A

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