糖尿病患者さんの間食指導をどうする?

II. 「糖尿病患者さんの間食指導」、どうしていますか?

4) 療養生活にうまく間食を取り入れるには

2009.10.31

浜野:  前もって少しネットで調べてきたのですが、日本人のお菓子好きは、世界と比べると大したことはないらしいのです。砂糖消費量でみた国際比較ですが、日本は下位、ブラジルとか上位の国はすごくて、こういう国の糖尿病事情はどうなんだろう?と思ってしまいました。
 しかし、そうかといって日本がお菓子の消費量が単純に少ない訳でもなくて、家計のなかで一定の支出を占めています。糖尿病ネットワークのアンケートでも回答者の6割以上が毎日食べているということなんですけれど、そういういうことをふまえると、“間食ありき”として医療スタッフは、再認識すべきかもしれません。“共存”するには、どうしたらよいか?という部分で、ご意見はありますか?
吉田:  私は、食べるのを前提に進めていくので、どうしたら食べられるか?を患者さんと一緒に考えていきます。例えば、日本の料理は、砂糖をよく使用しますよね。甘辛な味付けはけっこうな砂糖の量を使用するのです。ですから、スイーツを食べたいなら、その分の砂糖を料理から削るという方法もありではないかと思います。
 自分で料理するのであれば、砂糖やみりんを削って、その分をスイーツに回す。料理の砂糖はよくてスイーツの砂糖はだめという理由はないと思いますので。砂糖のマイナス面だけ言えば、そういう方法も考えられます。こっちが食べられるなら、こっちをがんばれる、みたいな部分ってあると思うんです。
浜野:日本食が甘い食事だという認識があまりありませんでしたね。
吉田:煮豆はOKで、スイーツはダメという線引きが難しい。なので、そっちを減らしてこっちを生かすという方法も、やはりありだと思います。
浜野:代替法ですね。
井上: 確かに、条件を出すとうまくいく方っていらっしゃいますよね。容認といっても、完全によいとするのではなくて、じゃあその代わりにここは我慢しましょう、という条件を出すと、これを守ったから今日は食べてもいい、と罪悪感もやわらぐという効果もあって、そういう方法もいいのかなと感じますね。
吉田: 許容範囲は決まっているので、まずは、自分が食べているものがどんなものか気がついてもらうことが重要。例えば、わらびもちは、意外にエネルギーがないと思っている患者さんがけっこういらっしゃいます。ところてんと同じような寒天質でできていると思っていて、「いくら食べても大丈夫では?」なんて。そういう時、「食べちゃだめ」と言う前に、「いや、違いますよ!」と気がついていただくだけでも、有益な指導になると思います。
浜野:栄養指導って、本当に密な時間が流れているんですね。

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