糖尿病患者さんの間食指導をどうする?

I. 「糖尿病患者さんの間食」、どう思いますか?

3) わかっちゃいるけど、やめられない!

2009.09.30

浜野:ただ、すぐに理論から行動に移せる患者さんばかりでないのが現実で、わかっちゃいるけど・・・という世界だと思うのですが、井上先生どうですか?
井上:診察室でも、加藤先生のように論理立てて、なぜ間食がいけないのか、何が起こっているのか、を説明すると、「そうか! そういうことなら納得してやめられます!」とおっしゃる患者さんも、いらっしゃいます。でも、「わかってはいるのですが・・・」とおっしゃる方もけっこういるのではと思います。
吉田:健康上“お菓子を食べたほうが良い”という方は、糖尿病のあるなしに関わらずいないと思うんです。健康管理を考えると、余計なものは食べない方がいい。スイーツは、体を運営していく上で絶対必要なものかと言われると、そうでもなくて、食べないと死ぬわけではありません。でも、世の中で、これだけ市場が大きいのは需要があるから。一般の人と同じで患者さんも、“食べたい”という強い想いがあるのは現実です。
浜野:まさに嗜好品ですね。
吉田:ですから、自分で食べる食べないの選択の判断ができれば、それでいいと思うんです。どういうものを食べているか知らなくて、食べたことで血糖にどう影響を与えるものかもわからない、そういう状況が良くない。間食する時に、これがどのぐらいのエネルギーで、食後にどの程度、血糖に影響を与えるか、そのマイナス面を考えた上で、それでも食べたいなら食べてもいいと思います。好きなだけ食べていいというのではなく、食べる上で、そのマイナス面を、どう改善していくか、もちろん“作戦”は必要です。私が指導する患者さんは、間食がやめられない方がほとんど。“作戦”を立てるために、栄養相談を受けたいという患者さんがとても多いのです。

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