いま、1型糖尿病は
2006年03月17日
劇症1型糖尿病を知っていますか
1型糖尿病というのは、まだはっきりした原因が分かっていませんが、ある時から膵臓のインスリン産生細胞が壊れていく病気です。
この壊れていく原因として、自己免疫機序が言われています。自分の免疫をつかさどる細胞(リンパ球など)が、どういう理由によるのかはっきり分かっていないのですが、自分の大事な膵臓のインスリン産生細胞を破壊していくのです。その結果、血液中のインスリンが不足しはじめ、絶対的に欠乏状態になると糖尿病性ケトアシドーシスという状態なり、皆さんが糖尿病になって病院に行った時の状態になることになります。
2型糖尿病というのは、いつからか血糖が徐々に上昇していき、ある程度の高血糖になって糖尿病の症状が出て病院に行くか、糖尿病合併症の症状が出て病院に行き、'糖尿病です'と言われる病気です。ですから、本人自身も健診を受けていなければ、いつから血糖が上昇してきたか分かりません。
「小児糖尿病=1型糖尿病」ではないと以前に述べました。そして、もちろん「大人の糖尿病=2型糖尿病」でもないのです。小児期でも2型糖尿病が発症しますし、大人にも1型糖尿病が発症します。
今回は劇症1型糖尿病についてお話したいと思います。
劇症1型糖尿病というのはその名前のごとく、あっという間に1型糖尿病を発症するという糖尿病です。どれくらいあっという間かというと、1週間以内です。以下、劇症1型糖尿病調査研究会の報告を基に書いています。
小児期発症1型糖尿病では通常、1週間以内に発症することはありません。そういえば2、3カ月前から元気がなかった、よく水分を飲んでいた、疲れたとよく言っていたなど、高血糖症状と思われる症状が数カ月前からあったと振り返ることができます。時には6カ月前から、体調がおかしかったということもあります。ところがこの劇症1型糖尿病は、今週人間ドックを受けて健康であると言われた人が、翌週に高血糖(だいだいは異常なくらいの高血糖)でふらふらになって病院を訪れるといった具合に、発症するまでの期間が短いのが特徴です。
症状が出てから糖尿病性ケトアシドーシスになるまでが短期間なので、病院で測定したHbA1cは高くないのです。6%台、7%台がほとんどです。つまり、高血糖状態に急激になってしまってHbA1cの上昇がおぼつかない状態といえます(HbA1cの上昇は高血糖状態が1〜2カ月つづくことが必要です)。
いつから体調がおかしかったのかと劇症1型糖尿病の患者さんにお聞きしますと、1週間前から10日前くらい。どのように体調がおかしかったのかとお聞きしますと、口渇が最も多く、次に感冒様症状。発熱、咽が痛い、咳もあります。次に多いのが腹部症状。吐気、悪心。腹部痛。そして、ケトアシドーシスも重症なので高血糖による意識障害も起こしてきます。つまり、発症時がとても華々しいのです。病院にこのような患者さんが来院されると、数日はてんてこ舞い状態になり、多くの医師の手が必要となります。
劇症1型糖尿病の患者さんは、小児期にも発症するのでしょうか? いえ、小児期に発症するのはとても珍しく、通常は20歳以上の大人に多いのです。これまで健康であった60歳、70歳の方が急に発症してしまったという例もあります。
患者さんの割合はどれくらいかというと、糖尿病性ケトアシドーシスを伴って発症する小児・大人すべての1型糖尿病患者さんの約20%が、この劇症1型糖尿病です。
もちろん、治療はインスリン注射が中心になります。思春期発症1型糖尿病の患者さんではまだ自分のインスリンが残っていることがありますが、劇症1型糖尿病は短時間にインスリン産生細胞がほとんど破壊されてしまうのが病態なので、反対に全くインスリンは残っていません。しっかりと血糖値をみながらインスリン注射をきめ細かく行っていくことが必要となります。
1型糖尿病、と一口に言ってもいろいろなタイプがあるのです。
この壊れていく原因として、自己免疫機序が言われています。自分の免疫をつかさどる細胞(リンパ球など)が、どういう理由によるのかはっきり分かっていないのですが、自分の大事な膵臓のインスリン産生細胞を破壊していくのです。その結果、血液中のインスリンが不足しはじめ、絶対的に欠乏状態になると糖尿病性ケトアシドーシスという状態なり、皆さんが糖尿病になって病院に行った時の状態になることになります。
2型糖尿病というのは、いつからか血糖が徐々に上昇していき、ある程度の高血糖になって糖尿病の症状が出て病院に行くか、糖尿病合併症の症状が出て病院に行き、'糖尿病です'と言われる病気です。ですから、本人自身も健診を受けていなければ、いつから血糖が上昇してきたか分かりません。
「小児糖尿病=1型糖尿病」ではないと以前に述べました。そして、もちろん「大人の糖尿病=2型糖尿病」でもないのです。小児期でも2型糖尿病が発症しますし、大人にも1型糖尿病が発症します。
今回は劇症1型糖尿病についてお話したいと思います。
劇症1型糖尿病というのはその名前のごとく、あっという間に1型糖尿病を発症するという糖尿病です。どれくらいあっという間かというと、1週間以内です。以下、劇症1型糖尿病調査研究会の報告を基に書いています。
小児期発症1型糖尿病では通常、1週間以内に発症することはありません。そういえば2、3カ月前から元気がなかった、よく水分を飲んでいた、疲れたとよく言っていたなど、高血糖症状と思われる症状が数カ月前からあったと振り返ることができます。時には6カ月前から、体調がおかしかったということもあります。ところがこの劇症1型糖尿病は、今週人間ドックを受けて健康であると言われた人が、翌週に高血糖(だいだいは異常なくらいの高血糖)でふらふらになって病院を訪れるといった具合に、発症するまでの期間が短いのが特徴です。
症状が出てから糖尿病性ケトアシドーシスになるまでが短期間なので、病院で測定したHbA1cは高くないのです。6%台、7%台がほとんどです。つまり、高血糖状態に急激になってしまってHbA1cの上昇がおぼつかない状態といえます(HbA1cの上昇は高血糖状態が1〜2カ月つづくことが必要です)。
いつから体調がおかしかったのかと劇症1型糖尿病の患者さんにお聞きしますと、1週間前から10日前くらい。どのように体調がおかしかったのかとお聞きしますと、口渇が最も多く、次に感冒様症状。発熱、咽が痛い、咳もあります。次に多いのが腹部症状。吐気、悪心。腹部痛。そして、ケトアシドーシスも重症なので高血糖による意識障害も起こしてきます。つまり、発症時がとても華々しいのです。病院にこのような患者さんが来院されると、数日はてんてこ舞い状態になり、多くの医師の手が必要となります。
劇症1型糖尿病の患者さんは、小児期にも発症するのでしょうか? いえ、小児期に発症するのはとても珍しく、通常は20歳以上の大人に多いのです。これまで健康であった60歳、70歳の方が急に発症してしまったという例もあります。
患者さんの割合はどれくらいかというと、糖尿病性ケトアシドーシスを伴って発症する小児・大人すべての1型糖尿病患者さんの約20%が、この劇症1型糖尿病です。
もちろん、治療はインスリン注射が中心になります。思春期発症1型糖尿病の患者さんではまだ自分のインスリンが残っていることがありますが、劇症1型糖尿病は短時間にインスリン産生細胞がほとんど破壊されてしまうのが病態なので、反対に全くインスリンは残っていません。しっかりと血糖値をみながらインスリン注射をきめ細かく行っていくことが必要となります。
1型糖尿病、と一口に言ってもいろいろなタイプがあるのです。
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※ヘモグロビンA1c(HbA1c)等の表記は記事の公開時期の値を表示しています。
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