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2016年08月01日
「ポケモンGO」を運動療法に活用 運動不足を「革新的」に解消できる
熱狂的な流行を巻き起こし社会現象となっている「ポケモンGO」は、糖尿病の運動療法に活用できると、英国のレスター大学が発表した。「運動不足を解消する画期的な解決策になる」と研究者は指摘している。
ウォーキングはもっとも基本的な運動
「ポケモンGO」は、スマートフォン向けゲームアプリで、部屋にこもりがちな人々を外に連れ出すことに成功し、社会現象を起こしている。
スマートフォンなどの情報端末は、自らの位置を知らせる位置登録システムが付いているものが多い。「位置情報ゲーム」は、スマートフォンなどの位置登録情報を利用したゲーム。位置登録で得られる位置情報によってゲームを進めていく。
「ポケモンGO」をプレーすると、スマートフォンの画面上に地図が表示され、その地図上にさまざまな情報が表示される。外出しないとスマートフォンに表示されるモンスターを捕まえられない、ポケストップに行かないとアイテムを獲得できない仕組みになっている。
その効果は抜群で、「ポケモンGO」を始めると1日に数kmを歩くようになる。歩けば歩くほど、経験値が上がり、モンスターを多く捕らえられ、レベルを上げるチャンスを得られる。
「自宅で過ごすときは、テレビの前の椅子やソファーに座ったままでいるという人が多くいます。ゲームが、立ち上がって外出して、ウォーキングを始めるきっかけになれば、運動療法をサポートする“革新的な解決策”となる可能性があります。ウォーキングはもっとも基本的で気軽に実行できる運動ですが、過小評価されています」と、英国のレスター大学糖尿病センターのトム イエイツ氏は言う。
2型糖尿病患者の80~85%が運動不足
気が付かないうちに長時間のウォーキングが可能に
「ポケモンGO」の配信は、はじめに米国、オーストラリア、ニュージーランドで開始され、英国、カナダ、日本でも始められた。世界中で数百万人がプレイしており、子供だけでなく大人も巻き込んで、熱狂的にプレイされている。
英国のマーケット ハーバラに在住しているトム ブース氏は45歳。2型糖尿病であり主治医から運動を勧められているが、社交不安障害もあり、運動を続けるのが困難だった。
「最初はポケモンGOは子供向けのゲームと思っていましたが、流行っているので興味をもち、ダウンロードしてみました。その効果は驚くほどでした。ただのゲームだと思っていたのに、気がつくと夢中になり数kmを歩いていました。こんなことは、この数年ではじめてのことです」と、ブース氏は言う。
「家に帰ると、体は疲れ切っていました。しかし、外に出てウォーキングをして、気が付かないうちに長時間、運動するのは、素晴らしい体験です」と、ブース氏は語っている。
「ポケモンGO」の下地とっなった「イングレス」という位置情報ゲームの特徴は、外出しないとプレーできないこと。街に点在するポータルと呼ばれる場所を攻略することが基本であり、ゲームに使うアイテムもポータルから獲得するため、とにかくポータルをめぐってよく歩くようになる。
こうした位置情報ゲームが作られたのは、開発者が晴れた日に家の中でゲームばかりしている我が子を見て、「なんとか外に連れ出す方法はないか」と思ったのがきっかけになっているという。
「座ったまま過ごす時間をなるべく減らし、体を動かし運動をする時間を増やすことは重要です。1日に30分間の運動をしても、残りの23時間30分をじっとして過ごしていたら、あなたの健康状態と活力を改善するためには不十分なのです。ゲームをきっかけに運動量を増やせれば、効果的な解決策なとる可能性があります」と、イエイツ氏は述べている。
Pokémon Go could ease Type 2 diabetes burden(レスター大学 2016年7月25日)
[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所
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