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2014年05月16日

肥満は「危険信号」 25歳を過ぎたら体重をチェック

肥満は病気 「肥満パラドックス」は間違い?
 太っている人は、高血圧や2型糖尿病、腎臓病など、さまざまな病気にかかりやすい。脂肪の蓄積は、インスリンの効き方が悪くなる「インスリン抵抗性」を引き起こす。そのため、過体重や肥満の人は、減量をするようアドバイスされることが多い。

 しかし、実際に統計をとってみると、標準体重の人よりも過体重や肥満と判定された人の方が長生きする傾向がある。この矛盾は「肥満パラドックス」と呼ばれ、多くの医師や医療スタッフを悩ましてきた。

 ところが、2型糖尿病や高血圧症を発症した時点で肥満や過体重である場合は、明らかに死亡率が上昇し医療費も増加するという調査結果が発表された。

 韓国の成均館大学医学部のユス チャン氏らは、30~59歳の韓国人約1万5,000人を対象に調査を行った。肥満のある人では、動脈の壁にプラークができ、血管が硬くなる「動脈硬化」が起こりやすいことが明らかになった。

 冠動脈疾患の検査の中心となりつつあるのが、コンピュータ断層撮影(CT)検査だ。CT検査で検出できるもののひとつに、血管の「石灰化」がある。動脈硬化が進行すると、プラークに血液中のカルシウムが沈着して石灰化という状態になる。

 心臓をとりまく動脈を冠動脈といい、酸素や栄養素を含んだ血液を心筋に供給している。肥満のある人では冠動脈の石灰化が際立って多くみられることが確かめられた。若年期から肥満がみられ、その期間が長いほど、冠動脈石灰化が促され、年齢が上がってから冠動脈心疾患を発症するリスクが高まることも分かった。

 「肥満の人は体重を減らすことが必要であることが、あらためて確かめられました。健康的な体重を維持することが大切です」と、チャン氏は強調している。

Treating Obesity as a Disease(米国心臓学会 2014年4月14日)
Early Obesity Linked to Increased Probability of Severe Obesity Later in Life(米国予防医学会 2014年5月6日)
"Metabolically Healthy Obesity" Found to be Associated With Coronary Atherosclerosis(米国心臓病学会財団 2014年4月31日)

[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所

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