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2013年10月25日
食事療法の個別化・多様化するニーズ 病態栄養セミナーを開催
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最近では、宅配食メーカーの努力によって、プロの管理栄養士によりエネルギー量や栄養のバランスが調整された治療食のメニューが豊富に用意されている。「すこやか膳」は、1日のエネルギー量を1,400kcal、1,600kcal、1,800kcalに、塩分を6〜9gに調整した冷蔵の宅配食だ。国の定める「食事療法用宅配食品等栄養指針」にもとづき、管理栄養士が献立を作成している。
宅配食は調理いらずで、面倒なエネルギー計算の必要もない。とくに、食生活の改善を、「忙しいから」「面倒くさいから」といった言い訳で避けてきた人たちにとっても、大きな助けとなる。摂取エネルギー量を満たす食材のボリュームや味付けなどを具体的に体験できる点では、宅配食は強力な「栄養教育」の教材となる。
宅配食の利用は、始めたらずっと続けなければいけないわけではない。食事療法のノウハウが身についたと感じたらいったん中止し、しばらくして食事が乱れてきたと感じたら再開して食事内容をチェックする、いわば「食事療法の定期点検」として利用するのも効果的だ。頭であれこれ悩んでいるよりも、まず本物の「治療食」を目と口から体得してしまうのが、成功の近道といえる。
税所氏は「食事療法を長期にわたり継続するためには、安全性とともに日本の食文化や患者さんの嗜好性についても配慮することが必要です。大切なのは、カロリー、バランス、続けやすさであり、決められた食事療法をひとつだけ患者さんに求めるのは無理があります」と指摘した。
日本人の食に対する価値観や食品・食習慣・食環境は、多様化してきており、食事指導でも患者の病態や嗜好性により柔軟に対応することが必要となってきている。最近では、炭水化物について、血糖に対する直接的な影響ばかりでなく肥満への影響から、その摂取量に関心が高まっているが、栄養素についてはエネルギー代謝に関する全体的な視野に立って評価すべきであり、個々の栄養素に限定して考えるのは誤った方向だという。
2型糖尿病の食事療法は、総エネルギー摂取量の適正化によって肥満を解消し、インスリン作用からみた需要と供給のバランスを調整し、高血糖および高血糖から引き起こされる糖尿病合併症を予防することを目的としている。インスリンの作用は糖代謝だけでやく、脂質やタンパク質代謝などにも及んでおり、これらは相互に密接な連関をもっている。
「体重の適正化をはかるためには、運動療法とともに積極的な食事療法を指導すべきであり、総エネルギー摂取量の調整が優先されるべきです。総エネルギー摂取量を制限せずに、炭水化物のみを極端に制限するのは、患者さんが食事療法を長期的に守れなくなるおそれがあり、脂質が悪化する可能性もあります。患者さん1人ひとりに合わせた食事療法を、根気強く提案していくことが重要です」と、税所氏は強調した。
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