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2012年10月09日

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医薬品/インスリン

リナグリプチン 腎機能低下のある患者のコントロールを改善

 ベーリンガーインゲルハイムとイーライリリー・アンド・カンパニーは、欧州糖尿病学会(EASD)で、1つの大規模第3相臨床試験の結果と3つの併合解析の結果を発表した。「トラゼンタ」(一般名:リナグリプチン)を、高齢患者や糖尿病性腎症をもつ患者が服用すると、低血糖を増やすことなく血糖コントロールを改善することが示された。

 リナグリプチンは選択的DPP-4阻害薬で、胆汁排泄型であることが特徴となる。排泄経路が腎臓ではなく、主に糞中に未変化体として排泄されることから、腎機能が低下している患者にも用量調節の必要がない。

 試験結果のひとつは、基礎インスリン療法でコントロール不良な患者1,261人を対象に、リナグリプチンの追加療法の長期的な安全性および有効性をプラセボ投与群と比較評価した第3相試験の結果だ。

 リナグリプチン投与群では、52週目のHbA1c値のベースラインからのプラセボ調整後変化量はマイナス0.53%で、血糖コントロールが改善した。低血糖の発現率は、リナグリプチン投与群で31.4%、プラセボ投与群で32.9%と同等だった。体重については、両群とも治療期間を通じて大きな変動はみられなかった。

 高齢患者(70歳以上)においても、リナグリプチンの基礎インスリン療法への追加療法としての安全性と有効性が示された。これは高齢の2型糖尿病患者に対し、基礎インスリン療法への追加療法として、24週間以上にわたりリナグリプチンとプラセボを比較評価した2つの第3相試験を解析したもの。

 高齢の2型糖尿病患者は、一般的に罹病期間が長く、β細胞機能が低下しているという特徴がみられる。そのため多くの症例で、基礎インスリン療法との併用が必要となる。そうした高齢患者においてリナグリプチンと基礎インスリンの併用は忍容性は良好であり、有害事象の全般的な発現率もプラセボ投与群と同等以下だった。リナグリプチンは、マイナス0.77%と血糖コントロール改善を達成した。低血糖の発現率は、リナグリプチン投与群で28.6%、プラセボ投与群で37.2%だった。

 7つの第3相試験に関する第3次併合解析として、高齢の2型糖尿病患者(65歳以上)を対象に、リナグリプチン単独療法、または様々な血糖降下療法へのリナグリプチンの追加療法の安全性と有効性に関して、さまざまなパラメータを評価した。この解析結果から、リナグリプチンの忍容性は良好であり、用量調節を必要とすることなく、高齢患者(65歳以上)への治療選択肢となることが示された。

 リナグリプチン投与群では、ベースラインから24週目までのHbA1c値の変化量がマイナス0.62%と、血糖値の低下がみられた。リナグリプチン投与群の患者には、空腹時血糖(FPG)にも有意な低下(マイナス14.8mg/dL)がみられた。

 リナグリプチン投与群の有害事象の発現率はプラセボ投与群と同等以下(リナグリプチン群71.3%、プラセボ群73.3%)だった。また副作用の発現率もプラセボ投与群と同等以下(リナグリプチン群18.1%、プラセボ群19.8%)だった。

 英国バーミンガム大学の内科学名誉教授であるアンソニー・バーネット氏は試験結果について、「高齢患者の多くは、合併症や腎機能低下、低血糖リスクの増加など、安全性や忍容性に関する不安を多く抱えている。リナグリプチンは、腎機能の低下がある患者でも用量調節や特別なモニタリングの必要がないので、高齢の2型糖尿病患者さんに効果的かつ忍容性の良好な治療選択肢となる。治療選択肢がより一層限られていく中で、従来の治療法にリナグリプチンが加わるのは喜ばしい」と述べている。

ベーリンガーインゲルハイム
日本イーライリリー

[ Terahata ]

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