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2011年04月08日
野菜の放射線量が一部地域で規制値を上回る 食品は安全?
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市販されている食品は安全
放射性ヨウ素は、飲料水、食料、空気などの経路を経て体に吸収されます。体に入ると細胞を損傷させ、健康被害を起こすおそれがあると考えられています。
ただし、それはあくまでも、長期間にわたって摂取し続けた場合に「可能性がある」という話です。ヒトの体に修復機能がそなわっており、細胞が多少傷ついても修復できます。また、ヨウ素131は体の中に入って8日間で放射能レベルが半減します。
「現時点の放射性物質による健康被害については、チェルノブイリ事故等のこれまでのエビデンスから、ほとんど問題がない」との見解を示しています。
築地周辺で3月22日に入手した野菜を調べたところ、放射能汚染はありませんでした。
小松菜については、時間をかけて微量の放射能まで検出すると、わずかにヨウ素131と推定されるピークが確認されました。しかし、水洗いをするとピークは低くなりました。
安全性を十分に確保するために、野菜、飲料水、牛乳・乳製品について、食品衛生法にもとづき、放射性物質について暫定規制値が設けられています。値を上回る放射性物質が検出された野菜などの出荷を控える措置がとられています。
政府の原子力災害対策本部は3月23日、福島県内で生産されたホウレンソウ、コマツナ、キャベツ、ブロッコリー、カリフラワーから放射性物質が検出されたのを受け、当分のあいだ出荷を差し控えるよう要請しました。また21日には福島、茨城、栃木、群馬産のホウレンソウとカキナの出荷制限を要請しました。
ここで注意しなければならないのは、暫定規制値を上回る放射性物質が検出されたのは一部の地域に限られ、そうした規制値を上回った食品が市場に出ることがないよう、国や自治体が管理しているという事実です。
厚生労働省は、「放射線が、避難指示や屋内待選指示が出ているエリア外で、これまでに認められた放射線量は、わずかな値。体に影響をおよぼすことは、まず考えられない。野菜などの食品についても、国民の健康を考えた安全な基準をもうけて対応している」と発表しました。
野菜には、ビタミンやミネラル、食物繊維が多く含まれ、栄養面で多くの利点があります。生活習慣病の食事療法を続けている人からも、食品の安全性に対し高い関心が寄せられています。

政府の原子力災害現地対策本部は水道水も調査しています。水道水に含まれる放射性物質についても、安全性のための規制が行われています。
政府は福島県内で採取した水道水について「健康影響が生じる可能性は極めて低く、代替飲用水が確保できない場合には、飲用しても差し支えない。手洗い、入浴等の生活用水としての利用は可能」と4月7日に発表しました。
野菜の放射性物質の付きかたは、ダイオキシンなどの化学物質や農薬と似ているため、食品安全に関わる国際的な食品分類が使用されています。野菜には「葉菜類」、「結球性」などいくつかの種類があります。

そのためホウレンソウなどでは、他の野菜に比べて高い濃度の放射性物質が検出される例が多くなります。また、暫定基準値は重量当たりで表しているので、同じ重さで比べた場合、表面積の多い野菜の方が高い濃度で検出されがちです。
一方で、キャベツなどの「結球性」の葉もの野菜は、畑で収穫した後に、出荷にあたり外側の硬い葉を2〜3枚外して出荷されます。粉じんが付着したとしても、外側の葉に付着するので、付着物はかなり取り除かれます。
ダイコンなどの根菜類も、摂食部分(根の部分)が地面の下にあるため、粉じんが直接着きにくいと考えられます。
もしも、野菜などの表面に大気中の放射性物質が付着したとしても、水洗いをすることで、ある程度は落とすことができます。その場合は、葉の裏表から茎まで、よく洗う必要があります。野菜の皮や外側の葉をむくのも効果的です。
国立がん研究センターでは「現在、暫定的に定められている飲食物の摂取制限の指標については、十分すぎるほど安全といえるレベル」、「放射性物質に汚染されたと考えられる飲食物については、放射性物質の半減期を考えれば、保存の方法を工夫すれば十分に利用が可能」と強調しています。
東日本大震災は、巨大地震と津波に原発事故という3重の大惨事となり、多くの被害と犠牲が出ています。復興の長期化も予想され、日本中で多くの方が支援活動に取り組んでいます。ご自分とご家族の健康を損なうことのないよう、まずは落ち着いて判断し行動することが大切です。
代表:渡邉正己(京都大学原子炉実験所放射線生命科学研究部門・教授)
放射線の生物影響を研究する大学などの研究者が集まった日本放射線影響学会会員の有志グループがQ&Aサイトを公開しています。メールで寄せられた「水道水は飲んでも大丈夫ですか」、「屋外で子供にスポーツをさせて大丈夫ですか」といった質問に答えています。
「実は1950〜60年代、米国などが大気圏内で核実験をくり返し行ったため世界中の大気が汚染されていた。日本の国土でも、福島第一原発事故以前の通常検知されていた量の約千倍から1万倍の放射性セシウムが降下していた。その汚染は核実験が禁止されるまで10年位続いていた。チェルノブイリの時も短期間だが、福島第一原発事故以前の通常検知されていた量の約1000倍の放射性セシウムが降下していた。この過去の事実を広く知ってもらうことも不安を和らげるために役立つのではないか。
現在50-60歳代以上の人は皆これらの被曝を経験していることになる。この人達にこれらのことによって健康影響がでているということはない。安全性を確約するものではないにしても、もし影響があったとしても、そのリスクは非常に少ない。どのくらい少ないのかを正確に理解するためには、今後の低線量放射線の生体影響の研究の進展を待たなければない」との見解を示しています。
「妊娠されている方、子どもを持つご家族の方へ-水道水の健康影響について-」
「水道水に関する基準は、放射線が検出された水だけを、毎日1年間飲み続けると仮定し、それでも心配する必要がない濃度を基準値として設定している。とても厳しい値なので、この基準値を超えたら危険という数値ではない」、「今回の濃度上昇は一時的なもので、必ず下がる」といった見解を示しています。
「水道水について心配しておられる妊娠・授乳中女性へのご案内」
「1リットル当たり200ベクレル前後の放射性物質を含む水道水を妊婦が飲んでも、母体や胎児に健康被害は起こらないと推定される」といった見解を示しています。
食品や水などの放射能の度合いを計るベクレルの数値を、人の体への影響を表すシーベルトに換算する計算式も紹介しています。
福島第一原子力発電所事故による農畜水産物等への影響(農林水産省)
「妊娠中の方、小さなお子さんをもつお母さんの放射線へのご心配にお答えします。」(厚生労働省)
東日本大震災関連情報(水道・食品関係)(厚生労働省)
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