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2011年04月08日
野菜の放射線量が一部地域で規制値を上回る 食品は安全?
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- 食事療法
3月11日に発生した東日本大震災は、広範囲にさまざまな被害をもたらしました。福島県第一原子力発電所の事故以来、放射線により何らかの健康被害を受けるのではないかと、多くの人々が不安感を覚えています。放射線を研究している医師や専門家は、福島原発の事故について「健康への影響はほとんどない」との見解を示しています。
野菜の放射線汚染
市販されている食品は安全
原発事故をきっかけに、よく耳にするようになった「ヨウ素131」はヨウ素の放射性同位体です。ヨウ素131は大気中にも微量があります。人工的には核分裂で生成し、原子炉事故が起こると大量に放出されるおそれがあります。
放射性ヨウ素は、飲料水、食料、空気などの経路を経て体に吸収されます。体に入ると細胞を損傷させ、健康被害を起こすおそれがあると考えられています。
ただし、それはあくまでも、長期間にわたって摂取し続けた場合に「可能性がある」という話です。ヒトの体に修復機能がそなわっており、細胞が多少傷ついても修復できます。また、ヨウ素131は体の中に入って8日間で放射能レベルが半減します。
市販されている食品は安全
原発事故で野菜などの食品や水などに広がる放射性物質の汚染について、専門家や医師らは次のように解説しています。
■ 独立行政法人国立がん研究センター
「現時点の放射性物質による健康被害については、チェルノブイリ事故等のこれまでのエビデンスから、ほとんど問題がない」との見解を示しています。
築地周辺で3月22日に入手した野菜を調べたところ、放射能汚染はありませんでした。
小松菜については、時間をかけて微量の放射能まで検出すると、わずかにヨウ素131と推定されるピークが確認されました。しかし、水洗いをするとピークは低くなりました。
築地周辺で3月22日に入手した野菜を調べたところ、放射能汚染はありませんでした。
小松菜については、時間をかけて微量の放射能まで検出すると、わずかにヨウ素131と推定されるピークが確認されました。しかし、水洗いをするとピークは低くなりました。
放射性物質が付きやすいのはどんな野菜か
震災に関連する放射性物質について、発がんを含めた健康への影響を、多くの人が心配しています。
野菜の放射性物質の付きかたは、ダイオキシンなどの化学物質や農薬と似ているため、食品安全に関わる国際的な食品分類が使用されています。野菜には「葉菜類」、「結球性」などいくつかの種類があります。
■ 日本放射線影響学会「福島原発事故に伴うQ&Aグループ」
代表:渡邉正己(京都大学原子炉実験所放射線生命科学研究部門・教授) 放射線の生物影響を研究する大学などの研究者が集まった日本放射線影響学会会員の有志グループがQ&Aサイトを公開しています。メールで寄せられた「水道水は飲んでも大丈夫ですか」、「屋外で子供にスポーツをさせて大丈夫ですか」といった質問に答えています。
「実は1950〜60年代、米国などが大気圏内で核実験をくり返し行ったため世界中の大気が汚染されていた。日本の国土でも、福島第一原発事故以前の通常検知されていた量の約千倍から1万倍の放射性セシウムが降下していた。その汚染は核実験が禁止されるまで10年位続いていた。チェルノブイリの時も短期間だが、福島第一原発事故以前の通常検知されていた量の約1000倍の放射性セシウムが降下していた。この過去の事実を広く知ってもらうことも不安を和らげるために役立つのではないか。
現在50-60歳代以上の人は皆これらの被曝を経験していることになる。この人達にこれらのことによって健康影響がでているということはない。安全性を確約するものではないにしても、もし影響があったとしても、そのリスクは非常に少ない。どのくらい少ないのかを正確に理解するためには、今後の低線量放射線の生体影響の研究の進展を待たなければない」との見解を示しています。
代表:渡邉正己(京都大学原子炉実験所放射線生命科学研究部門・教授) 放射線の生物影響を研究する大学などの研究者が集まった日本放射線影響学会会員の有志グループがQ&Aサイトを公開しています。メールで寄せられた「水道水は飲んでも大丈夫ですか」、「屋外で子供にスポーツをさせて大丈夫ですか」といった質問に答えています。
「実は1950〜60年代、米国などが大気圏内で核実験をくり返し行ったため世界中の大気が汚染されていた。日本の国土でも、福島第一原発事故以前の通常検知されていた量の約千倍から1万倍の放射性セシウムが降下していた。その汚染は核実験が禁止されるまで10年位続いていた。チェルノブイリの時も短期間だが、福島第一原発事故以前の通常検知されていた量の約1000倍の放射性セシウムが降下していた。この過去の事実を広く知ってもらうことも不安を和らげるために役立つのではないか。
現在50-60歳代以上の人は皆これらの被曝を経験していることになる。この人達にこれらのことによって健康影響がでているということはない。安全性を確約するものではないにしても、もし影響があったとしても、そのリスクは非常に少ない。どのくらい少ないのかを正確に理解するためには、今後の低線量放射線の生体影響の研究の進展を待たなければない」との見解を示しています。
■ 日本医学放射線学会
「妊娠されている方、子どもを持つご家族の方へ-水道水の健康影響について-」
「水道水に関する基準は、放射線が検出された水だけを、毎日1年間飲み続けると仮定し、それでも心配する必要がない濃度を基準値として設定している。とても厳しい値なので、この基準値を超えたら危険という数値ではない」、「今回の濃度上昇は一時的なもので、必ず下がる」といった見解を示しています。
「妊娠されている方、子どもを持つご家族の方へ-水道水の健康影響について-」
「水道水に関する基準は、放射線が検出された水だけを、毎日1年間飲み続けると仮定し、それでも心配する必要がない濃度を基準値として設定している。とても厳しい値なので、この基準値を超えたら危険という数値ではない」、「今回の濃度上昇は一時的なもので、必ず下がる」といった見解を示しています。
■ 日本産科婦人科学会
「水道水について心配しておられる妊娠・授乳中女性へのご案内」 「1リットル当たり200ベクレル前後の放射性物質を含む水道水を妊婦が飲んでも、母体や胎児に健康被害は起こらないと推定される」といった見解を示しています。
食品や水などの放射能の度合いを計るベクレルの数値を、人の体への影響を表すシーベルトに換算する計算式も紹介しています。
福島第一原子力発電所事故による農畜水産物等への影響(農林水産省)「水道水について心配しておられる妊娠・授乳中女性へのご案内」 「1リットル当たり200ベクレル前後の放射性物質を含む水道水を妊婦が飲んでも、母体や胎児に健康被害は起こらないと推定される」といった見解を示しています。
食品や水などの放射能の度合いを計るベクレルの数値を、人の体への影響を表すシーベルトに換算する計算式も紹介しています。
「妊娠中の方、小さなお子さんをもつお母さんの放射線へのご心配にお答えします。」(厚生労働省)
東日本大震災関連情報(水道・食品関係)(厚生労働省)
[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所
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