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2008年08月14日
魚の多い食事が日本人の心疾患を減らす 米国人の半分以下に
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虚血性心疾患 心臓に血液をおくる動脈の硬化や血栓などにより、心臓の血流が悪くなることで起こる疾患で、代表的なものに心筋梗塞があ
アテローム性動脈硬化症 |
その結果、日本人は、冠動脈石灰化と頸動脈の肥厚が有意に少なく、アテローム性動脈硬化症が少ないことがあきらかになった。また、白人と日系アメリカ人は同程度であることもわかった。日系アメリカ人は、BMI(肥満指数)、血圧、中性脂肪の平均値がもっとも高く、糖尿病の比率も高かった。
血液検査では総脂肪量とともに、魚に豊富に含まれる脂肪酸(n-3脂肪酸)を測定した。総脂肪量は3つのグループで差がなかったが、日本で生活する日本人は魚介類からのn-3脂肪酸のレベルが、日系アメリカ人よりも45%、米国白人よりも80%高かった。
研究者らは、日本人の心疾患のリスクが低いのは遺伝因子では説明できないことで、魚の摂取が多いことに関連していると結論している。EPAやDHAといった二重結合をたくさんもつn-3脂肪酸には、血小板凝集能の阻害、血液の粘稠度を下げるなどのはたらきがある。これが、魚をよく食べると虚血性心疾患を

厚生労働省がん研究助成金による指定研究班「JPHC Study」
研究班は、岩手、秋田、長野、沖縄の4県在住の40歳から59歳の男女約4万人を対象に、1990年から約11年追跡調査を行った。研究開始時とその5年後に実施した食事など生活習慣についてのアンケート調査から、魚を食べる頻度と量、魚の種類を推定した。
追跡期間中に男女258人が虚血性心疾患を発症した。魚の摂取量により5つのグループに分け比べたところ、魚の摂取量がもっとも少ない1日約20gのグループに比べ、他のグループではいずれも心疾患のリスクが下がっていた。魚を週8回食べているもっとも多いグループでは37%低くなった。
心電図、血液検査などで診断の確実な心筋梗塞に限ると、リスクの低下傾向はよりはっきりと示された。魚の摂取量がもっとも少ないグループに比べ、もっとも多いグループでは56%低くなった。
研究者らは「魚による心疾患の
関連情報
魚の和風料理はエネルギーを調整しやすい
日本人の魚の消費量は世界でもトップレベルにあるが、年々減少する傾向にある。水産庁の調査によると、魚介類の国民1人1年あたりの平均消費量は、2001年は40.2kgだったのが、2005年は34.4kgに減少した。
食生活などのライフスタイルは50年の間に急激に変化し、20〜40歳代では脂質エネルギー比が適正とされる比率上限の25%を超えている。こうした食生活の変化が、肥満や2型糖尿病、高血圧、脂質異常症などのさまざまな生活習慣病の増加に影響している。
Journal of the American College of Cardiology(英文)
厚生労働省研究班「多目的コホート研究(JPHC研究)」
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