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2006年12月08日
トランス脂肪酸は問題がない?
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米ニューヨーク市は、市内のレストランやファストフード店でトランス脂肪酸を使うことを禁止することを決めた。人工のトランス脂肪酸を規定量以上含む食品の販売が禁止される。
同市の健康問題委員会が決めた規制は、2007年7月までにマーガリンや調理油などに含まれるトランス脂肪酸の量を、客1人当たり0.5グラムまでに制限し、2008年7月までに他の食品でも同様の量に制限するというもの。米国成人が1日にとるトランス脂肪酸の平均は5.8グラムなので、今回の決定はかなり厳しいものだといえる。
なぜトランス脂肪酸がいけないのか
トランス脂肪酸とは?
トランス脂肪酸は、油脂類に含まれる脂肪酸の二重結合の一部がトランス型になったものをいう。普通の植物油にはトランス酸はほとんどなく、二重結合はシス型と呼ばれる形をしている。マーガリンなどでは、製造するときに常温で液体である油脂を固形化するために水素添加を行う。その水素添加によってトランス酸ができる。
トランス脂肪酸は乳や乳製品、牛肉などに含まれているが、自然界ではあまり存在しない。食品に含まれるトランス脂肪酸は、人工的に作り出されたものが多い。体内で代謝されにくい性質があり、多く摂るとからだに害を及ぼすことが分かっている。トランス脂肪酸は、油脂類に含まれる脂肪酸の二重結合の一部がトランス型になったものをいう。普通の植物油にはトランス酸はほとんどなく、二重結合はシス型と呼ばれる形をしている。マーガリンなどでは、製造するときに常温で液体である油脂を固形化するために水素添加を行う。その水素添加によってトランス酸ができる。
トランス脂肪酸は、悪玉コレステロールといわれているLDLコレステロール(低比重リポたん白質:肝臓からコレステロールをからだの隅々へ運ぶ物質)を増やし、善玉コレステロールといわれているHDLコレステロール(高比重リポたん白質:血管壁に沈着したコレステロールを肝臓に持ち帰る)を減少させる働きをする。
LDLコレステロールが増え、HDLコレステロールが減ると、動脈硬化が進行して、心臓疾患や脳血管障害などが起こりやすくなる。それでトランス脂肪酸の摂り過ぎはよくないとされている。糖尿病患者は、高血糖のほかに、高血圧や高脂血症などを併発することも多く、動脈硬化が進みやすなっている場合があるので、気になる情報だ。
日本人では問題にならない?
トランス脂肪酸の日本人の摂取量は多くない。1日平均で比べると、米国の5.8g、西欧14カ国の1.2〜6.7gに対して、日本では1.56g、エネルギー比で0.7%と低い数値が示されている。
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米国では、水素を添加した硬化油のみでマーガリンなどを製造するが、日本では水素が添加されていない未硬化の植物油に部分的に水素を添加した油脂を使ったり、マーガリンなどでは硬化油を少なく使って融点の低い油脂を製造するためだ。
このように日本人の食生活で、トランス脂肪酸の摂り過ぎが心配になることは少ない。糖尿病の食事療法の基本である、適正なエネルギー量の食事、栄養バランスの良い食事をこころがけるのが得策のようだ。
●詳しくは食品安全委員会のサイトへ
トランス脂肪酸(PDFファイル)
●詳しくはニューヨーク市のサイトへ(プレスリリース/英文)
[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所
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