海外の糖尿病治療の研究
ビタミンDとカルシウムの摂取量が多い高い女性では、糖尿病の発症リスクが少なくなる可能性があるという研究が、米国の糖尿病の医療誌「Diabetes Care」3月号に発表された
。
この研究は、米国の「看護師の健康調査(Nurses' Health Study)」に登録された女性8万3,779名のデータを検討したもの。糖尿病、心血管疾患、癌の既往のない女性のビタミンDとカルシウムの摂取量を2〜4年毎に調査した。
20年の間に4,843例が糖尿病を発症した。ビタミンDの摂取総量と2型糖尿病に有意な関連はみられなかったが、カルシウムの総摂取量が最も多い女性は、最も少ない女性に比べ糖尿病のリスクが21%低かった。
さらに、ビタミンDをサプリメントで摂取していた女性は、摂取量が最も少ない女性と比べて、糖尿病の発症リスクが低下する傾向があった。サプリメントによるカルシウムの摂取量が最も多い女性では、最も少ない女性に比べ18%低かった。
ビタミンDと糖尿病のリスクの関連はまだよく分かっていないが、ビタミンDの不足が、インスリン抵抗性と膵臓のβ細胞の機能と関連しているのではないかと考えられている
。
カルシウムとの関連もまだ分かっていないが、インスリン感受性と細胞内のカルシウムの調節が関連しているのではと考えられている。
日本人のビタミンDの摂取量は、1日平均で男性で8.9μg、女性で7.8μg*。食事摂取基準量は成人の男女で5μg。カルシウムの摂取量は、男性で480〜580mg、女性で460〜600mg。食事摂取基準量は成人の男性で600〜650mg、女性で550〜600mg。カルシウムがやや足りていない。
ビタミンDはさまざまな食品に含まれるが、魚に特に多く含まれている。焼き魚では、いわし100gあたり10.2μg、さば100gあたり11.3μg含まれている。
カルシウムを豊富に含む食品には、牛乳(180mlあたり198mg)、小魚(いわし丸干し100gあたり1400mg)、緑黄色野菜(ホウレンソウ100gあたり55mg)がある。
* 「平成15年 国民健康・栄養調査」より
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詳細は「Diabetes Care」のサイトへ(英文/要約)
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日本医療・健康情報研究所