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2005年08月04日

吸入型インスリンは2型糖尿病患者に有効である

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 吸入型インスリンは、食事療法と運動療法で十分な血糖コントロールが得られない2型糖尿病患者に有効な療法であるという、テキサス大学保健科学センター(テキサス州サンアントニオ)の研究者による報告が、Diabetes Careの8月号に掲載された。

 この研究は、吸入型インスリン(商品名:Exubera)の食前投与が、8.0%未満のHbA1cを達成する上で、インスリン抵抗性改善剤(ロシグリタゾン)による治療よりも有効であるかを検討したもので、食事と運動で十分な血糖コントロールが得られなかった2型糖尿病患者402例を検討した。

 HbA1c8.0%未満という目標を達成した患者は、吸入型インスリン群の方がロシグリタゾン群よりも有意に多かった(82.7%対58.2%)。HbA1c7%未満のを達成した患者も吸入型インスリン群の方が多かった(44.0%対17.9%)。インスリンの使用は低血糖の発現件数増加と関連していたが、いずれの群にも重度の低血糖は認められなかった。血糖自己測定による24時間血糖値の改善は、ロシグリタゾン群よりも吸入型インスリン群で大きかった。

詳細は「Diabetes Care」のサイトへ(英文・要約)

肺吸入インスリン
 経肺投与(肺吸入)インスリンの開発が世界で進められている。「Exubera」は、ファイザー、サノフィ・アベンティス、Nektar Therapeuticsが共同で開発した肺吸入インスリンで、インスリンを微粒子にして吸入器で肺胞から吸入させる。上記のように、吸入インスリンはインスリン皮下注射と同等の血糖降下作用が期待でき、血糖降下剤と同等かそれ以上の治療効果が期待できるという研究が報告されている。

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日本医療・健康情報研究所

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