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2005年03月22日

治療薬の開発につながるタンパク質を発見

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慶大と山之内製薬が共同研究

 糖尿病や肥満の画期的な治療薬の開発につながる可能性のあるタンパク質を、慶応大学と山之内製薬の共同研究グループが発見し、21日付の米科学誌「Nature Medicine」(電子版)に発表した

 慶応大学医学部の尾池雄一講師らと山之内製薬分子医学研究所は2003年に、肝臓から分泌され、血管新生や皮膚再生の活性があるタンパク質を発見し、AGF(Angiopoietin-related growth factor)と名付けた。AGFの生理機能を解明するために、AGFを失わせたマウスを遺伝子操作で作り普通のえさを与えると、生後半年で平均的なマウス(平均30g)の2倍近い、約50gの体重になった。基礎代謝が低下し、内臓脂肪や皮下脂肪が多く、2型糖尿病と同様な症状である耐糖能異常と高インスリン血症が認められた

 逆に、AGFの量を約2倍に増やしたマウスを遺伝子操作で作り、高カロリーのえさを3カ月間食べさせると、体重の増加は約8gで、糖尿病にもならなかった。同じえさを食べさせた普通のマウスは、体重が約24g増え、肥満と糖尿病を発症した。さらに、普通のマウスを1年間太らせた後で、AGFの分泌量を増やしたところ、肥満や糖尿病が改善されることが確認された。

●詳細は山之内製薬のサイトへ
 トップページ情報掲載ページ(PDFファイル)
●Nature Medicine(電子版)へ(英文・要約)
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日本医療・健康情報研究所

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