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2011年05月26日
動脈硬化が早期にわかるFMD検査装置
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心疾患や脳血管疾患は日本における死因の約3割を占める。その背後には高血圧、糖尿病、脂質代謝異常、肥満などが要因で起こる動脈硬化がある。動脈硬化に関わる患者数は約1300万人とみられている。
2008年度の一般診療医療費25兆9595億円のうち、「循環器系の疾患」は5兆2980億円ともっとも多い。動脈硬化の予防は、健康長寿を実現し患者のQOL(生活の質)の向上につながるだけでなく、医療費を削減するうえでも重要な課題となっている。
高齢化にともない動脈硬化を原因とする脳梗塞・心筋梗塞などの発症は増えている。動脈硬化の測定は、動脈硬化がある程度進行した段階で評価する場合が多いが、早期に動脈硬化を評価できると効果的だ。
超音波装置を使い「血管内皮機能」を調べる「FMD(血流依存性血管拡張反応検査)検査」であれば、動脈硬化を早期に調べることができる。測定するときは、上腕に巻いた「カフ」というバンドを加圧・減圧する。FMD検査は、カフで腕を締めた後の血管拡張を超音波でみる検査法。FMD検査が提案されたのは約20年前だが、高度な測定技術が必要となるので、広くは普及していなかった。
医療機器メーカーのユネクスは、世界ではじめてFMD検査に特化した専用装置「ユネクスイーエフ」を開発し、2005年に薬事承認を取得した。その後、大学、一般病院、診療所において採用され、動脈硬化の早期検査装置として高い評価を受けているという。徳島県が推進しているメディカルツーリズムの糖尿病検診の動脈硬化早期診断プログラムにも活用され注目されている。
同社では「今後は、高血圧や糖尿病、脂質異常症などの治療の効果測定だけでなく、日常の運動や食事の改善による血管内皮機能への効果を測定し、継続的な生活習慣改善のモチベーションにつなげるツールとして積極的に活用されることを期待している」と述べている。
デンソー、豊田通商、エー・アンド・デイは5月25日、ユネクスに共同出資したと発表した。ユネクスは、FMD(血流依存性血管拡張反応検査)検査装置のメーカー。共同出資により、ユネクスが培ってきたFMD測定に関する技術に加え、3社の技術と販売ネットワークを活用できるようになる。
◇FMD関連情報:
- FMDは動脈硬化危険因子の集積を鋭敏に反映 CAVI・ABIとの比較
- 食後脂質異常が、食後高血糖よりも血管内皮機能低下に強く影響
- 肥満でEDの中年男性は生活習慣病未発症でも内皮機能が有意に低下
- ACS後の心リハによる運動耐容能向上は血管内皮機能の改善と相関
- DPP-4I追加と併用OHA別にみた内皮機能改善効果 FMDでの検討
- CADでは非糖尿病でも微量アルブミン尿出現率が高く、FMD低下と関連
- 上腕動脈IMT・FMDの同時計測で、冠動脈疾患リスクの層別化が可能
- DPP-4阻害薬の食後高脂血症改善を介した血管内皮保護作用
- 禁煙により酸化ストレスが低下し、血管内皮機能が有意に改善
- 糖尿病細小血管障害とFMD値が相関。短期加療による改善も評価可能
- 血管内皮機能は体温日内変動と相関するが、糖尿病ではその関係が破綻
- 心不全患者の心リハ。急性期のADL改善にも血管内皮機能が関与
- 糖尿病患者の冠疾患スクリーニングにFMDが有用
- 食事由来コレステロールよりはTGとアポB48が血管内皮機能に影響
- 直接レニン阻害薬の多面的効果 透析患者での血管内皮機能を改善
- DPP-4阻害薬の変更による血管内皮機能改善の上乗せ効果
- 塩分の多い食事は、食直後から血管内皮機能(FMD)を低下させる
- 血管内皮機能は血糖変動と逆相関し鋭敏に変化する
- 大豆イソフラボンがTGを低下させ、FMDを改善
- 「血管内皮機能検査」が診療報酬改定で新設される(厚生労働省)
- ミグリトールは冠動脈疾患併発糖尿病患者の血管内皮機能を改善する
- FMD低値は糖尿病発症の予測因子。ドックなどでは精密検査を
- 肥満2型糖尿病では、精神的ストレス軽減が血管内皮機能改善につながる
- 網膜症のある女性糖尿病患者は血管内皮機能(FMD)低下ハイリスク
- HDL-Cの血管内皮機能(FMD)保護作用は糖尿病で相殺される
- 仮面高血圧合併2型糖尿病では血管障害(FMDやPWV)が高度に進展
- DPP-4阻害薬は血管内皮機能(FMD)を改善する
- 脳や心臓の血管が詰まる前に。血管の若返りがわかる検査指標「FMD」
- 動脈硬化が早期にわかるFMD検査装置
- 血管内皮機能、FMD検査のユネクス
- 一般向けサイト 動脈硬化の進展を知る「FMD検査.JP」
[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所