災害に備えて
2005年12月20日
2005年災害への備えに関するアンケート調査結果
〜災害の備えをしている患者さんは13%
2005年11月に糖尿病ネットワークで『自然災害の備え』に関するアンケートを実施しました。このアンケートは糖尿病ネットワークのメールマガジン登録をしている「医療スタッフ」と「患者さん・一般」それぞれに質問を行ったものです。集計結果と多数寄せられたコメントの一部をご紹介いたします。
2005年11月に糖尿病ネットワークで『自然災害の備え』に関するアンケートを実施しました。このアンケートは糖尿病ネットワークのメールマガジン登録をしている「医療スタッフ」と「患者さん・一般」それぞれに質問を行ったものです。集計結果と多数寄せられたコメントの一部をご紹介いたします。
●回答数
【患者さん・一般】389人(男性236人、女性104人)
【医療スタッフ】78人(医師、看護師、薬剤師、臨床検査技師、管理栄養士など) Q. あなたは大地震や台風などの自然災害のために、糖尿病であることに対する備えをしていますか? 【患者さん・一般】 n=380
「はい」と答えた13%の患者さんの"備え"は・・・
インスリンや飲み薬の入手が困難になる 65%
ストレスによる血糖コントロールの乱れ 48%
医療機関の閉鎖 42%
感染症にかかる 23%
合併症の発症、または悪化 17%
避難所などで、他の人に糖尿病と知られること 6%
エコノミークラス症候群 5% Q. 通院している病院・クリニックで災害時の指導を受けたことがありますか? 【患者さん・一般】 n=368
「はい」と答えた患者さんの77%が主治医に指導されたとしています。 指導内容として最も多かったのが「糖尿病の治療・管理に必要な薬剤・器具の予備を持つようにする」ことでした。また、「災害時の血糖コントロールの注意点」「医療機関との連絡方法」「食事や水分摂取に関する注意点」を指導されたとご回答いただきました。 Q. 糖尿病患者さんに大地震や台風など自然災害時の指導を行っていますか? 【医療スタッフ】 n=76
「指導を行っている」と答えた医療スタッフの32%が医師、36%が看護師、13%が薬剤師でした。 "どのような患者さんに行っているか?"の問いに、下記の通りにご回答いただきました。
インスリン療養中の患者さんに行っている 41%
糖尿病患者さん全員に行っている 27%
患者さんに尋ねられた時にだけ答えている 27%
重篤な患者さんのみ行っている 3%
その他 2%
Q. 災害が起こり、被災地で診療を行う際、どのような不安がありますか? 【医療スタッフ】(自由回答)
【患者さん・一般】389人(男性236人、女性104人)
【医療スタッフ】78人(医師、看護師、薬剤師、臨床検査技師、管理栄養士など) Q. あなたは大地震や台風などの自然災害のために、糖尿病であることに対する備えをしていますか? 【患者さん・一般】 n=380
「はい」と答えた13%の患者さんの"備え"は・・・
- 常にインスリン2〜3本の予備を置いている。ミネラルウォーターの
予備、 砂糖の常備
- 糖尿病手帳を所持、服用薬を明記しておく。
- かかりつけ医の連絡先カードを作って携帯している。
- いざという時に持ち出せるようにインスリンと血糖測定器、角砂糖などをまとめて置いてある。
- 「非常持ち出し袋」の中に7日分の消毒綿、注射針、針破棄用ビニール袋、14日分のベイスン錠、低血糖防止剤をいれてある。
- インスリンと注射器、注射針の予備、低血糖時の飴等をリュックに入れて災害時すぐに持ち出せるようにしている。自分が糖尿病であることを知らせるカードを常に携帯している。
- 家に帰れない不測の事態があった場合でも、1週間近く持ちこたえられるだけのインスリンを常に携帯している。速効型はいうまでもなく、外出先で使うことのない中間型インスリンも持ち歩いている。
- もしもの時は通院先の病院も混雑が予想されるので、インスリンを多めにストックし、測定器などの医療具とともにまとめてボックスに保管。緊急時にはこれだけ抱えて避難するつもり。
- 職場にインスリンを保管している。
- 予備インスリンと糖尿病食2日分を入れて枕元に置いている。
- 非常用袋に薬(1週間〜1カ月分)を入れておく。常用の薬のリストを作っておく(容量、メーカー名、薬名)。血糖測定キットや血糖値の記録などを一緒にしたものは常時持ち歩くポーチに入れている。
- 低血糖に備えて、糖分の高い飲み物を保管している。
- 現状の治療内容カードを常に携帯している。治療薬はひとつにまとめている。
- ちょっとした外出(ドライブ程度のもの)の場合であっても薬は必ず2〜3日分持ち歩くことにしている。
- 小旅行の時は、必ず3日以上の予備分を持ち歩く習慣に。
インスリンや飲み薬の入手が困難になる 65%
ストレスによる血糖コントロールの乱れ 48%
医療機関の閉鎖 42%
感染症にかかる 23%
合併症の発症、または悪化 17%
避難所などで、他の人に糖尿病と知られること 6%
エコノミークラス症候群 5% Q. 通院している病院・クリニックで災害時の指導を受けたことがありますか? 【患者さん・一般】 n=368
「はい」と答えた患者さんの77%が主治医に指導されたとしています。 指導内容として最も多かったのが「糖尿病の治療・管理に必要な薬剤・器具の予備を持つようにする」ことでした。また、「災害時の血糖コントロールの注意点」「医療機関との連絡方法」「食事や水分摂取に関する注意点」を指導されたとご回答いただきました。 Q. 糖尿病患者さんに大地震や台風など自然災害時の指導を行っていますか? 【医療スタッフ】 n=76
「指導を行っている」と答えた医療スタッフの32%が医師、36%が看護師、13%が薬剤師でした。 "どのような患者さんに行っているか?"の問いに、下記の通りにご回答いただきました。
インスリン療養中の患者さんに行っている 41%
糖尿病患者さん全員に行っている 27%
患者さんに尋ねられた時にだけ答えている 27%
重篤な患者さんのみ行っている 3%
その他 2%
Q. 災害が起こり、被災地で診療を行う際、どのような不安がありますか? 【医療スタッフ】(自由回答)
- DMスタッフがいるとは限らず、診療の補助者を欠いての診療になり、サポートが十分できないかもしれない。(医師/200床未満)
- SMBGの消耗品や各種インスリン、水分の不足が心配。(臨床検査技師/200床以上)
- どのような既往やコントロール状況下かを判断することが難しい状況になるため、その場しのぎの処置になりがち。自己管理できている患者さんは良いが、そうでない方は対処が難しいだろう。(医師/200床以上)
- 医療器材に限りがある。マンパワーが保持できるのか? 青空的な診療所が即刻開設できるのか?ベッドの確保や重傷患者の取り扱い、トリアージが適切にできるのかなど考えればきりがない。(看護師/200床以上)
- 災害の種類、規模などを想定した訓練を日頃行っていないので今のままだとパニックに陥るのは必至だと思う。福岡では今まで大きな地震が起こったことはなく、今年大地震が起こった際に何も備えをしていなかったので慌てました。(医師/200床未満)
- 阪神淡路大震災の時、被災地に診療に行きましたが、感冒薬の不足気味に困りました。(医師/200床未満)
- 診療情報がきちんと整備されていないので、ほとんどすべて患者の自己管理に任されてしまっている現状ではいざという時に対応が難しいことが十分
予測 される。(医師/診療所)
- 他施設の患者さんで、内服薬やインスリン等薬剤の名前や作用時間、色がわからず、問い合わせもままならない状態は怖い。(薬剤師)
- 薬剤などが手に入るのか、情報は正確なのか、カルテがなくてもその患者さんの情報を正確に把握できるのか。(医師/200床以上)
- まず、病院までたどり着けるかどうか。自宅から15キロ程あり、途中に川が2カ所あります。(医師/200床未満)
- カルテが呼び出せない。本人の記憶に頼るしかない。本人にもマイカルテを持っていただいたほうがよいと思う。薬を飲んでもらうにも水がない。ライフラインが復活するまでの間しのげるだけのペットボトルの水を常備しておいたほうがよい。(臨床検査技師/200床未満)
- 使い慣れた薬剤の有無。(医師/200床未満)
- 家屋倒壊及び火事でインスリンなど、用意していたものを滅失してしまった。
- とにかく避難所には行かず、病院に来るようにいわれました。
- 受診日(薬の補給日)と災害が重なってしまった
- 食事や水分摂取の乱れ、ストレスによる血糖コントロール悪化。
- 食品不足による低血糖
- 食事時間の不安。低カロリーの食事がとれない。
- 血糖測定ができないことによるインスリン量の過多、過少。
- 水で困った。PL感冒薬も病院の薬局で底をついた。
- 阪神淡路大震災の時の糖尿病救護班での経験から、糖尿病患者にふさわしい食事の配給ができていなかった。紹介できる医療機関リストがなく、自主的に作成したことがあります。薬類は数日たてば確保されていました。(医師/診療所)
- 阪神淡路大震災の時に病院にお手伝いに行きましたが、水が出なくて手荒いにも不自由でした。震災の中でショックを受けている過多が多く、心のケアの必要性を強く感じました。(看護師/診療所)
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