糖尿病Q&A1000

Q.962 腎不全期になるとインスリンの分解が遅くなり、インスリンの必要量が低下するといいますがどのような原理なのか詳しく知りたいです。インスリンの分解はどのようにして行われているのでしょうか?(26歳、女性)

 膵臓から分泌されたインスリンは、まず肝臓に取り込まれそこで分解を受けるものと、血液中に循環するものに分かれます。血液中に循環するインスリンは、ブドウ糖を筋肉や脂肪の細胞に取り込みます。そして最終的には腎臓の糸球体で分解され、尿中に排泄されていきます。腎不全は糸球体の機能が極めて低くなった状態ですから、インスリンの分解も滞ってくる結果、血液を循環しているインスリンの濃度が低くなりにくくなります。
 また、注射などの方法で体外からインスリンを補給している場合は、肝臓で取り込まれる経路を経ないで大半が直接、血液中に循環します。そのため腎臓に到達するインスリンが相対的に多くなりますから、分解されるインスリン量が少ないことの影響が大きくなり、注射の必要量が減ってきます。
2006年05月24日

※ヘモグロビンA1c(HbA1c)等の表記は記事の公開時期の値を表示しています。

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13 読者の質問コーナー [Q.956-1000]のQ&A

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