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03 合併症ってなんだ? - そのほかの合併症
Q.392 新聞などで「コレステロール値を下げても意味はない」と書かれているのを見かけけますが、どちらが正しいのでしょうか?
A.  「日本人の場合、心臓疾患で亡くなる人は欧米よりもずっと少ないからコレステロールが高くても問題ない」とか、「コレステロールが低いと脳出血になりやすい」といった情報が、しばしば流れます。もしこれらが本当だとしたら、高脂血症は病気でなく、無視してよいことになります。
 結論からいうと、これらの考え方は断片的な情報としては間違っていませんが、血清脂質が高いすべての人達へ伝えるメッセージとしては、誤解を生じやすく注意が必要といえます。
 これまで日本人に心臓疾患が少なかったのは確かですが、それは、現在心臓疾患を起こしやすい年齢層の人が若かったころには、心臓にとてもやさしい和食文化の中で暮らしていたからと考えるのが自然で、子どものころから洋食文化で育ってきた、これから心臓疾患多発年齢に入る人たちも同じだとはいえません。最近の調査では、アメリカの若者より日本の若者のほうが血清脂質が高いことがわかっています。
 また、コレステロール値が低い人に脳出血が多い傾向を示す統計があるのも事実ですが、これは、栄養状態が悪いために血清脂質が低くなっている人に脳出血が多いことと、高脂血症の治療で血清脂質を下げることが区別されていないためと考えられます。
 もちろん高脂血症の実際の治療では、患者さんそれぞれの身体状況を勘案して治療目標が定められます。ある程度高齢になってから血清脂質が高くなってきた方で、しかも動脈硬化がそれほど進展していないのであれば、血清脂質を下げる必要性はそれほど高くありません。一方、まだ30代、40代の若い方や、動脈硬化の進行が確認されている人の場合、血清脂質を下げたほうがよいことは疑いのないことです。
 そして、このページをご覧の方にとって一番大切なことは、糖尿病と高脂血症があると動脈硬化が速く進行し、心臓疾患の発生率が明らかに高くなるということです。
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