患者さんのほんね、医療者のホンネ
2024年10月21日
Q. 糖尿病患者の災害対策について、ご意見をお聞かせください。
A. 医師・医療スタッフのホンネ
※自由記述でお寄せいただいたコメントの一部をご紹介します。
- 薬剤その他1か月分はもっておく。【医師】
- 普段の療養の基礎的知識なしに災害対応は難しいと思います。【医師】
- 備蓄していても家が無くなれば、意味がない。被災直後をどうするかの対策が無い。【医師】
- 災害時の対応はできていない。ただ、常に何かの理由で受診できなくなる方は一定数おられる。お薬手帳の携帯または今はスマホ利用で最新の画面を映しておく。管理できる方には内服は1週間分、インスリンは2週間分の予備は持っていただくようにしている。【医師】
- 現在は災害対策を行えていないが、個人でも病院としても考えて準備したいと思った。【医師】
- 薬の手配が難しく。薬の内容がわからないことがある。【薬剤師】
- 非日常としてシックデイなどと同じように指導が必要だと思います。 ただ備蓄となると管理も困難ではと考えます。 やはり災害時用の指導冊子など準備が必要と感じます。【薬剤師】
- 能登半島地震における避難所は冷蔵庫が初めなかったため、処方量を調節する疑義照会を行い、 注射保管についてどのような設備が整っているかを確認が必要だと感じた。【薬剤師】
- 調剤薬局の薬剤師としては、定期薬の備蓄とシックディ対策を推進していきたいと思っていますが、シックディ対策について処方元の先生との連携が取れずに対応できず焦っています。 また、備蓄を勧めても、なかなか浸透せずにもどかしいです。【薬剤師】
- 限られた食事でどう摂取していくか。血糖コントロールをどうしたらよいか【薬剤師】
- 規則正しい生活ができない不安を感じる。【薬剤師】
- 薬や薬手帳の重要性が理解出来ていない方が多いと思います。自分の手の届く方から繰り返し注意喚起を行っています。【看護師】
- 普段から、薬剤費用を抑えたい人が多く、少し余分に持っておく方が安全と勧めても、希望しない方が、若い人に特に多い印象があります。【看護師】
- 不安に思うことは、院内では、糖尿病患者の特別視をしていないこと。災害時での地域連携との話合いもないこと。【看護師】
- 必要だとは思うけど、そこまでできてないのが現状です。災害のときを考えて薬の予備を常にもつことだけは患者に説明し取り組めていると思います。【看護師】
- 糖尿病教室で災害時の話はしているが、実際に災害を経験しておらず不安を感じる。ですが、患者さんは、医療者よりも不安を感じていると思うので、繰り返し説明していこうと思います。 【看護師】
- 糖尿病教育看護学会などで被災にあわれた諸先生方・災害派遣を経験された諸先生方の体験談を聞く機会しかありません。そのため、各企業・糖尿病教育看護学会等のパンフレットでしか、患者さんへのお話は出来ていないのが実際です。【看護師】
- 当院退院時、糖尿病イベントの際に必ず糖尿病指導のマニュアルに沿って説明を行い、専用の説明パンプを持たせるようにしています。しかし、スタッフの意識低下や、興味のなさからされてないこともあるようです。 患者様に置く場所、持ち出せる場所の動線確認も必要だと常々感じております。 高齢者が増えてきたことで入れ替え忘れによる使用期限切れも考えられるため、そこも含めて家族に確認してもらう必要もあるかと思います。【看護師】
- 大きめの地震が全国で今まで発生してるのに、非常持ち出し袋等準備して無い患者さんが殆どである。【看護師】
- 実際に被災したことがない地域なので、指導をしても患者さん自身もどこか他人事のような感じがする。体験談などを一緒に伝えられたら違うと思うが、スタッフも経験がないのでマニュアル的なことしか伝えられていない。【看護師】
- 自身の体験ではありませんが、朝食前の地震発生にて調理スタッフの出勤も未の状況で、入院患者にインスリン施注を待つよう各病室に声掛けして回り、大事に至らなかったことを先輩より聞いた経験があります。【看護師】
- 災害や戦争などを経験しているような高齢者が、災害グッズなどの備蓄準備の必要性を理解していない印象がある。【看護師】
- 災害があまりない地域の為、まだ他人事の様に思っている人が多い。職員数が足りていないので通常の指導もままならない状況です。災害対策までは追いついていないのが現状です。【看護師】
- 高齢者のインスリン注射を同居の家族が拒否されるので看護師が行っていますが、災害時は、看護師自身も被災者になります。患者は看護師の言うことは聞きませんが医師の言うことは聞くので、インスリン導入時に医師から患者家族にも実施できるよう説得してほしい。【看護師】
- 高齢者に日常時と非常時の自己管理の違いを示すことが難しい。【看護師】
- 患者様から聞いた体験で、医療機関に行っても見た目が元気に見えるので受診を断られる、問い合わせをしてもたらい回しにされるとお聞きしました。自分で困った時に何とか乗り切れるよう自助、共助の力をつけることが大切であると思いました。 【看護師】
- 患者さんが多く利用される薬局は病院の近隣ですが、自宅から遠い方も少なくないため、インスリン注射が必須の方は自宅近くの薬局のスタッフと顔見知りになることがいざという時の備えになります。【看護師】
- 院内のBCPは総合的なもので、トリアージで緑タグになるであろう多くの糖尿病患者さんが自宅避難するにあたっての動きや取り決めはない。これは糖尿病に限らず、その他在宅支援を必要とする疾患も同様。 在宅や訪問など地域医療と連携したシュミレーションや訓練が必要とは思うが日常業務で手一杯なのが実情。【看護師】
- 医療者に相談すべき症状、配給以外での食事管理。 【看護師】
- 医療スタッフ、患者双方において、糖尿病を管理、生活を維持していく為には災害時にどういった行動をすべきかという意識そのものが定着していないと感じます。【看護師】
- なかなか自分事として捉えにくい 備えは必要だと感じでもらっても実行には移しにくい。【看護師】
- かならず薬と炭水化物の食料と水分を用意するようにをポイントとして指導してます。待合スペースに配布用資料を必ず準備してあります。関心高い人はきちんと考えている印象あり。1型、高血糖のひとを優先に機会あれば災害対策は話題にあげています。【看護師】
- インフラが止まっていない近隣へ避難する。薬手帳を携帯する。インスリングッズを多めに準備して、いつでも持ち歩けるようにする。低血糖時の捕食も必ず携帯する。【看護師】
- いざ準備をしていても、焦る気持ちが強いから早く逃げなければと思い、準備したバックなどを忘れてしますことが多いと思います。【看護師】
- 1型糖尿病患者はリスト化するなど施設での把握が必要。【看護師】
- 指導をしても、準備をされているのかわからない。もしくはしていないことが多い気がする。【保健師】
- 防災士の勉強をしています。被災地の食事が菓子パンなどではなく、栄養管理できた食事の提供ができたらと日々思う。 災害時の食事について考えています。【管理栄養士・栄養士】
- 徳島県も糖尿病協会から出している冊子があるが、更新の時期に来ている。内容を紙媒体での更新はハードルが高い。やはりネットでの情報発信は必須だと感じる。【管理栄養士・栄養士】
- 当院では毎年一回災害対策について患者さん1人1人に色々お話ししています。 新しい患者さんも漏らさずフォローする様にしついます。【管理栄養士・栄養士】
- 実際に体験していないためどのように対処して良いか戸惑います。何かパンフレットなどがあれば良いですね。【管理栄養士・栄養士】
- 自分の薬の名前やどういう薬なのか、すぐに出てこない方が多い。薬の名前がすぐわかるようにお薬手帳の活用を勧めたい。【管理栄養士・栄養士】
- 災害時に指導が抜けていることに気付かされました。今後、取り組んでいきます。【管理栄養士・栄養士】
- 災害時に向けて予備薬をローリングストックされている方も居れば、金銭的理由で特に予備を備えたく無いという方と、実際被害に遭ってからでは遅いということをわざわざ伝える時間がない。待合室の時間はながいので、わかりやすいポスターなどがあると良いのかもしれない。【管理栄養士・栄養士】
- 患者介入時はいつも日常的な指導を行っているため、災害対策等の話はあまりしていませんでした。数か月前に災害時の薬・食事・運動について患者会(10名ほど)で説明を行いましたが、備蓄食や水などを確保している方が多く驚きました。災害頻度が増えている現在、日常的にも患者へ災害時の説明を行っていかなければならないと考えています。【管理栄養士・栄養士】
- 病院に行けば何とかしてくれると考えている、他人任せの患者が殆どだと思います。 非常時に全ての患者に対応するのは無理です。【臨床検査技師】
- 東日本大震災の経験を通して災害時の支援物資は、菓子パン、おにぎりなどが多かったので、糖尿病の患者さんには個人である程度の備蓄が必要と説明している。【その他】
- 災害時の持ち出し袋に患者さんが必要な糖尿病薬やインスリンを入れているか確認が必要と感じています。【その他】
- 災害時にすぐにスムーズに動けるよう、日頃からの訓練が必要だと感じます。 その為に予め訓練の日付を確保し、確実に訓練をしていかなければいけないと思います。【その他】
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