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2020年05月01日
糖尿病療養指導ガイドブック〈2020〉糖尿病療養指導士の学習目標と課題
- 出版社:●A4判変型・268ページ 本体\3,000円+税 メディカルレビュー社
ホームページ→トップ - 概要:わが国の糖尿病患者数は1,000万人に達し、糖尿病に伴うさまざまな合併症の克服が重要な課題となっています。近年、糖尿病治療は目覚ましい進歩を遂げ、新しい治療薬やインスリンポンプ、血糖測定のためのデバイスなどが次々に開発されました。その一方で、未受診者や治療中断者が多いこと、高齢糖尿病患者の増加、認知症やフレイルなど新しい合併症の出現、悪性新生物による高い死亡率など克服すべき課題が山積しています。
糖尿病治療には、患者さんのニーズと社会背景に対応した個別化治療が必要であり、さらに介護を含めた多職種が連携したチーム医療が求められます。また、糖尿病には高血圧や脂質代謝異常など他の疾患を合併することが多いため、さまざまな疾患のガイドラインや治療指針を理解しておく必要があります。質の高い糖尿病医療を地域に広げていくためには、専門性の高い糖尿病医療チームとかかりつけ医療機関や薬局、訪問看護センターなどによある医療連携体制を構築することが重要です。このような背景の下で、わが国では2000年に日本糖尿病療養指導士認定機構が発足して間もなく20年になろうとしています。この間に、約2万人のCDEJが誕生しました。CDEJには、患者個別の療養上の問題点を把握しながら実践的な指導・支援を行うとともに、チーム医療を円滑に進めるための中心的役割を担うことが期待されています。
本ガイドブックは、CDEJの学習目標と課題を網羅したものであり、膨大かつ日進月歩の糖尿病診療に関する情報をできる限り簡潔にまとめ、CDEJに必要な基礎知識から実践的指導までを記載することを目指しています。CDEJの認定試験や講習資料のほとんどは本書に基づいて作成されており、情報の精度と他のガイドブックとの整合性にもできる限り配慮しました。また、2015年に始まった「症例ファイル」も、今年は10症例すべてを改訂しました。個々の症例から課題を抽出し、治療目標を明確にして、療養指導内容の方針決定から多職種間の連携までを含めた実践的な内容となっています。これからCDEJを目指す方々にも、またすでにCDEJを取得している方にも、本書が知識の習得と整理、そして実践に役立つことを期待しています。
(四方賢一「序」より一部抜粋)
目次:
Ⅰ章 糖尿病療養指導士の役割・機能
1.日本糖尿病療養指導士制度
2.療養指導の基本
3.関連団体
Ⅱ章 糖尿病の概念、診断、成因、検査
1.血糖調節の概略(健常人)
2.疾患概念
3.診断
4.成因と分類
5.検査
Ⅲ章 糖尿病の現状と課題
1.糖尿病の疫学指標
2.糖尿病の一次予防
3.糖尿病を減らすための社会的取り組み
Ⅳ章 糖尿病の治療(総論)
1.治療目標とコントロール目標
2.治療方針の立て方
Ⅴ章 糖尿病の基本治療と療養指導
1.食事療法
2.運動療法
3.薬物療法(経口血糖降下薬)
4.薬物療法(注射血糖降下薬)
5.インスリンポンプ療法
Ⅵ章 糖尿病患者の心理と行動
1.糖尿病患者の心理
2.糖尿病患者のセルフケア行動
3.心理・行動に配慮した支援
Ⅶ章 療養指導の基本(患者教育)
1.療養指導の考え方
2.療養指導の実際
3.評価・修正
Ⅷ章 ライフステージ別の療養指導
1.乳幼児期
2.学童期
3.思春期
4.妊娠・出産
5.就労期
6.高齢期
Ⅸ章 合併症・併存疾患の治療・療養指導
1.急性合併症
2.糖尿病細小血管症
3.大血管症(動脈硬化症)
4.メタボリックシンドローム
5.その他
Ⅹ章 特殊な状況・病態時の療養指導
1.シックデイ
2.周術期
3.低栄養
4.旅行
5.災害時
6.医療安全上の留意点
症例ファイル
日本糖尿病療養指導士認定機構