ネットワークアンケート
血糖降下薬の処方変更について
糖尿病の治療では、血糖降下薬の処方が見直されることがよくあります。皆さんも飲んでいるお薬が変更になったご経験はありませんか? 今回は、この処方変更について患者さんと医療者にアンケートを実施しました。
今回のアンケートは、474名(患者さん303名、医療者171名)にご回答いただきました。糖尿病ネットワークより、国際糖尿病支援基金に お一人50円分、合計23,700円の寄付をおこないましたのでご報告申し上げます。ご協力ありがとうございました。
患者さん・ご家族に聞きました
薬の「作用と効果」「副作用」がわかりづらい?
皆さんは、今飲んでいる薬の名前をご存じですか? アンケートでは、7割以上の患者さんが「すべて知っている」と答えています。また、患者さんの約3割が、処方された薬の「作用と効果」「副作用」について「理解しづらい」と感じていることがわかりました。
処方されている血糖降下薬の名前や作用をご存じですか?
- すべて知っている
- 一部知っている
- 知らない
処方された薬に関して、あなたが最も理解しづらいと感じる情報はどれですか? n=303
作用と効果
副作用(注意事項)
薬の名前
生活上の注意
用法・用量
保管方法
その他
8割が「処方変更」を経験。理由は「血糖値の悪化・改善」
次に、薬の変更について聞いてみました。今回、アンケートに参加いただいた303名の患者さんのうちの約8割、255名が「処方変更」の経験があると回答。また、そのうちの約7割の患者さんが、処方変更の理由として「血糖値が悪化または改善したから」と回答しています。
血糖降下薬の処方が変更(薬の種類や量を増やす、または減らす、薬を変更するなど)になった経験はありますか?
- ある
- ない
処方が変更になった理由について、当てはまるものを全て教えてください。(複数回答可) n=250
血糖値が悪化または改善したから
副作用がでた、副作用の心配があったから
投与方法の変更*
服用回数や服用タイミングの変更
薬の錠数を減らすために配合薬に変更
薬剤費を抑えるため
その他
*経口薬から注射薬への変更、注射薬から経口薬への変更など
6割が過去に処方変更の希望あり。理由No.1は治療効果への不満
また、患者さんの6割が、これまでに処方を変更してほしいと思ったことがあると回答。処方を変更してほしいと思った理由として、「治療効果に不満があるから」という声が最も多くあがりました。さらに、約4割の患者さんは、こうした処方変更を希望する気持ちを医師や医療スタッフに話したことがあると答えています。
処方を変更(薬の種類や量を増やす、または減らす、薬を変更するなど)してほしいと思ったことはありますか?
- ある
- ない
どうして処方を変更したいと思ったのですか?当てはまるものを全て教えてください。(複数回答可) n=187
治療効果に不満があるから
副作用が心配だから
薬剤費を抑えたいから
薬の服用や投与方法に不満があるから
(注射が大変、薬の服用の仕方やタイミング、薬剤の大きさなど変更したい)
処方してほしい具体的な薬剤があったから
その他
ご自身から処方の変更を相談したこと・申し出たことはありますか?
- ある
- ない
糖尿病の治療では、血糖値の管理がうまくいっているか、低血糖が起きていないか、合併症はあるかなど、さまざま点を踏まえて処方が変更されます。新しい治療薬が登場し、そちらの方が、より効果が期待できるといったケースもあるでしょう。ご自身の薬のことがわからないという方は、ぜひ一度、医師や医療スタッフに聞いてみてはいかがでしょうか?
実施時期:2023年 6月
調査方法:インターネット調査
対 象:「糖尿病ネットワーク」「糖尿病リソースガイド」メールマガジン会員
協 力:株式会社三和化学研究所
<回答者の属性>
現在、または過去に、血糖降下薬を服用されたことのある患者やそのご家族 303名(ご本人300名、ご家族や周りの方3名)
病 態:1型糖尿病 62名、2型糖尿病 235名、その他の糖尿病 4名、わからない 2名
※ヘモグロビンA1c(HbA1c)等の表記は記事の公開時期の値を表示しています。
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