ネットワークアンケート

患者さんの経済状況と糖尿病の医療費

医療スタッフ向けアンケートはこちら

生活をとりまくさまざまなモノ・コトの価格が上昇した2022年、糖尿病患者さんの医療費に対する意識は、 どんなふうに変化したでしょうか。

<ご報告>
今回のアンケートは、654名(患者さん492名、医療スタッフ162名)にご回答いただきました。糖尿病ネットワークより、国際糖尿病支援基金に お一人50円分、合計32,700円の寄付をおこないましたのでご報告申し上げます。ご協力ありがとうございました。

患者さん・ご家族に聞きました

 

約8割の患者さんが、1年前と比べて医療費に負担感

公共料金・食料品等の値上げが相次ぎ、さらに2022年10月には、一定以上の所得がある後期高齢者の医療費の窓口負担割合が引き上げられました。こうした状況において、1年前と比べて医療費負担を感じるようになったかどうか患者さんに聞いたところ、「とても負担を感じるようになった」35%、「やや負担を感じるようになった」40%と、約8割(369名)の患者さんが負担を感じていることがわかりました。

1年前と比べて糖尿病治療を含めた医療費に負担を感じるようになりましたか? n=492

Q1
  • とても負担を感じるようになった
  • やや負担を感じるようになった
  • 変化はない
  • 負担を感じなくなった

医療費を負担に感じた患者さんが実施したことは?

1年前に比べて医療費に負担を感じるようになった患者さん369名に実施したことを聞いたところ、約半数は「何もしていない」と答えました。実施したという患者さんでは「以前より食事・運動療法に取り組むようになった」「医療費を節約する方法を調べた」といった回答が多くあがりました。また、「受診回数を減らした」「薬(飲み薬やインスリン)の量や回数を自分で減らした」という患者さんもいました。

医療費を負担に感じるようになってから、何か実施したことはありますか?(複数回答) n=369

特に何もしていない

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以前より食事・運動療法に取り組むようになった

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医療費を節約する方法を調べた

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ジェネリック医薬品などに変更したいと申し出た

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受診回数を減らした

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薬(飲み薬やインスリン)の量や回数を自分で減らした

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医師や医療スタッフに相談した

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治療をやめた

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その他

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患者さんの約7割が医療費の悩みを医療者に相談せず

このような患者さんの医療費の悩みは、医師や医療スタッフには伝わっているでしょうか? 患者さんに、「医療費を負担に感じていることを医師や医療スタッフに相談したことがありますか?」と聞いたところ、約7割が「医療費を負担に感じているが、相談したことがない」と答えています。また、相談しない理由として半数以上の患者さんが「お金の話はしにくいから」と回答しました。

治療をはじめてから今まで、医療費を負担に感じていることを医師や医療スタッフに相談したことがありますか? n=492

Q1
  • 相談したことがある
  • 相談したことはあるが、今はその必要がない
  • 医療費を負担に感じているが、相談したことがない
  • 医療費を負担に感じていない

医療費を負担に感じていることについて「今は相談する必要がない」「相談したことがない」理由を教えてください。(複数回答可) n=345

お金の話はしにくいから

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誰に相談したらいいかわからないから

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相談してもわかってもらえないと思うから

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話すタイミングが難しいから

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その他

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配合剤やインスリンバイオシミラーを知っていますか?

医療費を軽減する方法の1つとして、より安価な薬剤への切り替えが考えられます。ジェネリック医薬品のほか、最近では配合剤やバイオシミラーといった選択肢も登場しています。そこで、これらの認知度を調べたところ、配合剤で全体の約4割、バイオシミラーは約2割という結果になりました。

※バイオシミラーについて詳しくは「医療費削減の味方~インスリンの「バイオシミラー」を知ろう~」

をご覧ください。

2つの成分を1つの薬にした「配合剤」をご存知ですか? n=492

Q1
  • 知っている
  • 名前を聞いたことくらいはある
  • 知らない

すでに承認販売されているインスリン製剤と「同等/同質の品質、安全性、有効性」が認められ、かつ安価なインスリン製剤の「バイオシミラー」をご存じですか? n=492

Q1
  • 知っている
  • 名前を聞いたことくらいはある
  • 知らない
まとめ

糖尿病の治療にかかる毎月の医療費は決して少なくありません。今回のアンケートで、経済状況の悪化が患者さんのさらなる負担となっている様子がわかりました。治療の状況にもよりますが、受診頻度の見直しや、検査の内容、薬の種類の変更といったことも相談できる場合もあります。「話しにくい」と思われるお金の話ですが、負担が大きいようなら、一度、医師や医療スタッフに話してみませんか?

<調査概要>
実施時期:2022年 11月
調査方法:インターネット調査
対  象:「糖尿病ネットワーク」「糖尿病リソースガイド」メールマガジン会員
協  力:株式会社三和化学研究所
<回答者の属性>
患者さんやその家族 492 名
病  態:1型糖尿病 200名、2型糖尿病 280名、その他の糖尿病 7名、わからない 5名

※ヘモグロビンA1c(HbA1c)等の表記は記事の公開時期の値を表示しています。

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治療や療養についてかかりつけの医師や医療スタッフにご相談ください。

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