ネットワークアンケート

患者さんの経済状況と糖尿病の医療費

患者さんへのアンケートはこちら

医療スタッフに聞きました

生活をとりまくさまざまなモノ・コトの価格が上昇した2022年、糖尿病患者さんの医療費に対する意識はどんな風に変化したでしょうか。医師や医療スタッフの方々に聞いてみました。

 

物価上昇により患者さんの医療費負担感が増している

公共料金・食料品等の値上げが相次ぎ、さらに2022年10月には、一定以上の所得がある後期高齢者の医療費の窓口負担割合が引き上げられました。こうした状況が、患者さんの経済状況に影響があるかどうか聞いたところ、6割の医療者が「かなり悪影響があると思う」と回答しました。
また、1年前と比べて医療費負担を感じている患者さんが増えていると感じるかという質問に対しては、約8割が「増えている」と回答しました。

最近、公共料金・食料品等の値上げが相次ぎ、後期高齢者の医療費の窓口負担割合の見直しなども行われていますが、患者さんの経済状況(医療費を含めて)に影響があると思いますか? n=162

Q1
  • かなり悪影響があると思う
  • やや悪影響があると思う
  • ほとんど影響はないと思う
  • 良い影響があると思う
  • わからない

医療費を負担に感じている患者さんは、どれくらいいらっしゃると思いますか? n=162

Q2
  • 1割未満
  • 1割以上~2割未満
  • 2割以上~5割未満
  • 5割以上~8割未満
  • ほぼ全員

患者さんの医療費負担感は十分にケアされているか?

糖尿病患者さんの医療費への負担感が増している今、1年前と比べて、患者さんから医療費の相談を受ける機会が「やや増えた」と感じている医療者が多いようです。また、患者さんから医療費について相談があった際の対応について質問をしたところ、「ジェネリックの活用」が最も多く、次いで「同じ作用機序を持つ薬剤の中でより安価な薬剤への変更」「バイオシミラーの活用」が多い結果となりました。他には、公的制度を案内する、患者さんへの啓発を行うという意見もありました。

患者さんから医療費について相談を受けることは、1年前と比べて増えましたか? n=121

Q3
  • かなり増えた
  • やや増えた
  • 変化はない
  • 減った

医療費について相談があった患者さんに対して、どのような対応をとりますか。相談を受けたことがない場合は、受けたことを想定してお答えください。(複数回答可) n=345

ジェネリックの活用

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同じ作用機序を持つ薬剤の中でより安価な薬剤への変更

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バイオシミラーの活用

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医療費の負担を軽減する公的制度などの案内

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患者支援などを通じて、治療の大切さや薬剤の必要性の理解促進

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受診回数の変更

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検査内容・回数の変更

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配合剤の活用

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特になし

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その他

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配合剤やバイオシミラーの活用状況

医療費を軽減する方法の1つとして、より安価な薬剤への切り替えが考えられます。比較的新しく登場した配合剤やバイオシミラーについて、その利用状況を聞いたところ、配合剤は全体の約半数、バイオシミラーは約4割の医療者が、それぞれの薬剤への変更を患者さんまたは医師に提案した経験があることがわかりました。
また、在宅自己注射が可能なインスリン等のバイオシミラーは「バイオ後続品導入初期加算」150点を算定できるようになりましたが、約4割の医療者がこの加算について知りませんでした。

「バイオ後続品導入初期加算150点」:
令和2年度(2020年度)の診療報酬改定より、患者さんに対してバイオ後続品にかかる説明を行い、バイオ後続品を処方した場合に、初回の処方月から起算して3月を限度として加算できるようになりました。

配合剤への変更を患者さん、または医師に提案したことはありますか? n=162

Q5
  • ある
  • ない
  • わからない

バイオシミラーへの薬剤変更を患者さん、または医師に提案したことはありますか? n=162

Q6
  • ある
  • ない
  • わからない

「バイオ後続品導入初期加算150点」を在宅自己注射指導管理料に加算できることをご存知ですか? n=162

Q7
  • 知らない
  • 名前を聞いたことくらいはある
  • 知っているが、算定していない
  • 算定している

患者さんの医療費負担感は治療継続意欲に影響するか?

最後に、「患者の医療費への負担感は治療継続意欲に影響すると思うか」という質問をしたところ、「とても影響する」63.0%、「まあまあ影響する」35.2%と、約9割の医療者が影響を危惧していました。
今回、患者さんを対象におこなったアンケートでは、医療費負担に関して医療者に相談したことがある患者さんは2割に満たず、約7割の患者さんが、「治療をはじめてから今まで、医療費を負担に感じているが医師や医療スタッフに相談したことがない」ことがわかっています(患者アンケートより)。その背景には「お金の話はしにくいから」「誰に相談していいかわからない」「相談してもわかってもらえないと思うから」といった心理があるようです。

医療者に共有されにくい患者さんのお金の悩みにどう寄り添っていくのか、皆さんも一度、ぜひご検討ください。

患者さんの医療費への負担感は、治療の継続意欲に影響すると思いますか? n=162

Q8
  • とても影響する
  • まあまあ影響する
  • 影響しない
  • わからない
<調査概要>
実施時期:2022年 11月
調査方法:インターネット調査
対  象:「糖尿病ネットワーク」「糖尿病リソースガイド」メールマガジン会員
協  力:株式会社三和化学研究所
<回答者の属性>
医師・医療スタッフ 162 名
職  種:医師 24名、看護師 55名、薬剤師 35名、理学療法士1名、臨床検査技師4名、管理栄養士32名

※ヘモグロビンA1c(HbA1c)等の表記は記事の公開時期の値を表示しています。

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