ネットワークアンケート
糖尿病と感染症
糖尿病患者さんは、感染症にかかると高血糖になりやすく血糖コントロールが難しくなります。水分摂取不足による脱水やケトアシドーシスも心配です。また、糖尿病患者さんは白血球の機能が低下しており、感染症が長引いたり重症化しやすいことがわかっています。患者さんの皆さんは、そんな感染症についてどのような対策・対応をしておられるでしょうか。
今回のアンケートは、947名(患者さん702名、医療スタッフ245名)にご回答いただきました。糖尿病ネットワークより、国際糖尿病支援基金に お一人50円分、合計47,350円の寄付をおこないましたのでご報告申し上げます。ご協力ありがとうございました。
患者さん・ご家族に聞きました
感染症にかかったとき、または感染症にかかった時に備えて、心がけていることは何ですか?
「糖尿病のかかりつけ医に相談するようにしている」という人が半数以上で最も多く、次いで多かったのが「シック・デイ対策」でした。また、「自宅療養に備えた薬剤や検査機器の備蓄」をしているという人、「いつもより血糖管理の回数を増やす」という人も3割でした。
感染症によるシック・デイの予防や対処方法について、指導をうけたことはありますか?
糖尿病患者さんが感染症などにかかり血糖コントロールが難しくなることを「シック・デイ」といいます。この「シック・デイ」対する心構えや対応について、医師に指導を受けたことがあるという患者さんは、全体で約3割。「シック・デイ」に特に注意が必要なインスリン治療を受けている患者さんでも4割にとどまっています。
【全体】
【インスリン治療を受けている人】
インスリン治療を受けている患者さんは、感染症にかかったとき、たとえ食欲がなくてもインスリン注射を中止してはいけません。また、血糖値の変動がいつもより大きくなるためこまめな血糖自己測定と、その結果に応じたインスリンの調整が大切になります。
薬物療法中の患者さんも、インスリンの分泌を促す薬を服用している場合は、食欲がないときには量を減らす必要があります。
感染症によるシック・デイになったとき(病気療養中)、かかりつけ医に報告しましたか?
シック・デイの際には、薬やインスリンの量の調整など、かかりつけ医の指示を仰ぐことが大切です。今回のアンケートでは、シック・デイを経験したことのある患者さんのうち6割が、医師に報告したと回答しています。
また、医師に報告しなかった患者さんにその理由を聞いたところ、「報告すべきとは知らなかった」が23%でした。
ふだんの診察の際に、シック・デイのときはどうすればいいか、かかりつけ医の先生と話をしておくと安心ですね。
「報告しなかった」と答えた方に伺います。報告しなかった理由を教えてください。
また、医師に報告しなかった患者さんにその理由を聞いたところ、6割の人が「自分で対処できると思ったから」と回答。また、「報告すべきとは知らなかった」という人が23%、「先生への連絡がしづらかった」という人が13%でした。
ふだんの診察の際に、シック・デイのときはどうすればいいか、かかりつけ医の先生と話をしておくと、いざというときに安心ですね。
実施時期:2020年 4月
調査方法:インターネット調査
対象 :「糖尿病ネットワーク」「糖尿病リソースガイド」メールマガジン会員
<回答者の属性>
患者さんやその家族 702 名
病態:1 型糖尿病 260 名、2 型糖尿病 398 名、その他の糖尿病 10 名、患者さんのご家族 34名
※ヘモグロビンA1c(HbA1c)等の表記は記事の公開時期の値を表示しています。
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