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2026年02月13日

糖尿病、負のイメージ刷新へ ~新呼称「ダイアベティス」提案も(京都大医学部付属病院 矢部大介教授)~

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時事通信社

 糖尿病の人は原因や経過について誤解され、さまざまな場面で差別を受けることがある。こうしたスティグマ(負の烙印=らくいん=)を払拭しようと、専門医らは新しい呼称を提案するなど、正しい知識の普及に取り組んでいる。その一人、京都大医学部付属病院(京都市左京区)糖尿病・内分泌・栄養内科の矢部大介教授に話を聞いた。

糖尿病のスティグマ

糖尿病のスティグマ

 ◇「自己管理できない」

 社会には、糖尿病の人は「食べ過ぎ」「自己管理ができない」「寿命が短い」といったイメージがある。「そのため、日常生活の他、就職や結婚、生命保険の加入、住宅ローンの契約など重要なライフイベントで不当な差別を受けることがあります」と矢部教授。子どもの時期に発症した場合は、学校でのいじめにも遭うという。

 このようなスティグマは、本人の自尊心を低下させるとともに、疎外感や孤独感につながる。「健康診断などで早期に発見されても、病気を隠そうとして受診を控え、重症化する恐れもあります」

 医師らでつくる日本糖尿病学会と、当事者や医療従事者らで構成する日本糖尿病協会は、糖尿病のイメージ刷新に取り組んでいる。その一環で2023年、ネガティブなイメージが付いた病名とは別の呼称を提案した。国際的、学術的に通用する英語名のカタカナ表記「ダイアベティス」を第1候補とし、将来的には病名の変更を視野に入れている。

 ◇平均寿命に差なく

 近年、糖尿病専門医の下で適切な治療を受けている人の寿命は、糖尿病でない人と比べてあまり差がないと示唆するデータもある。専門医がいるなどの要件を満たす全国208医療機関で11~20年に死亡した人の平均年齢を調べた研究では、糖尿病がある約6万9000人は75.4歳、糖尿病ではない約16万5000人は74.8歳で、両者に大差はなかった。

 糖尿病の治療法は進歩しており、血糖値を適切に管理することで重症化や合併症を防ぐことが可能だ。定期的な血液検査や画像検査などを通じて、合併症や他の病気の早期発見、治療も期待される。矢部教授は「負のイメージに引っ張られず、前向きに治療を続けてほしい」と語る。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)

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