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2026年02月09日

血糖値、寒い季節に上昇 ~糖質制限と運動を(北里研究所病院 山田悟・糖尿病センター長)~

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時事通信社

 血糖値は一年を通じて一定ではなく、寒い時期に上昇する傾向がある。これを裏付ける研究結果が、最近米国から報告された。血糖値の季節変動の理由や、この時期に注意すべき点について、北里大北里研究所病院(東京都港区)糖尿病センターの山田悟センター長に聞いた。

寒い季節の過ごし方

寒い季節の過ごし方

 ◇12月がピーク

 糖尿病に関する国内外の研究で、血糖値の指標であるヘモグロビンA1c(HbA1c)は冬に高くなり、北半球では2~3月に最高値を示すことが分かっている。HbA1cは赤血球中のヘモグロビンに糖が結合した割合で、過去2~4カ月の平均血糖値を反映する。そのため、実際に血糖値が上昇する時期よりやや遅れてピークが表れる。

 米国の最新研究では、リアルタイムで血糖の変動を把握できる「持続血糖モニタリング(CGM)」のデータを解析。血糖値は10月から上がり始め、12月に最も高くなった。

 山田センター長は「もし気温が主因であれば、最も寒い1月下旬から2月ごろにピークを迎えるはずですが、実際は12月が最高値でした。一方、最も暑い7~8月ではなく4月に最低値を示したことから、血糖値の変動は単に気温の絶対値に基づくものではないと考えられます」と説明する。

 「古くから冬眠動物が冬に備え、果物が実をなす秋に糖を取り込み、体脂肪を蓄える仕組みを持つように、人間にも『果糖生存危機仮説』と呼ばれる代謝反応があると考えられます。秋から冬に向かう気温の変化に伴って代謝に影響を受けるのは、その名残かもしれません」

 ◇血糖自己測定で意識を

 高血糖状態が続くと糖尿病や合併症のリスクが高まる。寒い時期をどのように過ごしたらよいか。「冬場は特に食事と運動を意識しましょう。糖質を控えめにし、たんぱく質、脂質、食物繊維をしっかり取ること。そして積極的に体を動かしてください」

 運動は特別なものでなくてもよい。「けがをしない範囲で、日常の中でできる運動を続けることが大切です。1回当たりが短時間でも日々継続すれば血糖コントロールに有効です」

 日常的に血糖値の変化に注意することが重要だという。「血糖自己測定(SMBG)やCGMは、自分の体の反応を知る手掛かりになります。測定機器は高度管理医療機器に分類され、販売許可を受けた薬局で購入できます。関心がある人は主治医や薬剤師に相談を」と山田センター長は助言している。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)

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[ mori ]
日本医療・健康情報研究所

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