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2019年10月16日
「大豆」が糖尿病リスクを減少 コレステロールや血糖が下がる

豆腐、納豆、枝豆、みそ、しょうゆ、厚揚げ、がんもどき、おから、豆乳など、日本食に欠かせない大豆食品。大豆がコレステロールを減らし、糖尿病のリスクを低下するという研究が発表された。
米国では、脂肪の多い動物肉の代わりに大豆などを使用した代替肉が登場しており、大きな話題になっている。
米国では、脂肪の多い動物肉の代わりに大豆などを使用した代替肉が登場しており、大きな話題になっている。
大豆を食べると糖尿病リスクが低下
大豆が食べることで、糖尿病のリスクが低下してインスリン感受性が向上し、心血管疾患のリスクが低下することを示した研究が発表されている。
米国のマサチューセッツ大学の研究で、イソフラボンを豊富に含む大豆食品を食べると、糖尿病と心臓病のリスクが減少することが明らかになった。大豆食品を食べると、コレステロールや血糖値が下がり、糖尿病の人では耐糖能異常の改善を期待できるという。
大豆イソフラボンが、インスリン感受性を媒介する重要な受容体である転写調節因子を活性化し、グルコースの取り込みを改善し、糖尿病を改善する効果をもたらすと考えられている。
国立国際医療研究センターなどによる大規模研究「JPHC研究」でも、日本人6万人を対象に5年間追跡した調査で、肥満や閉経後女性で2型糖尿病のリスクが低下することが示された。大豆イソフラボンがインスリン感受性を改善するためだと考えられている。
大豆がコレステロールを低下

大豆を使用した代替肉が人気
さらにジェンキンス教授は、「ビヨンド ミート」や「インポッシブル フーズ」といった米国の食品テクノロジー企業が、脂肪の多い牛肉や豚肉の代替として、大豆などの植物性食品を使用した商品を開発し、大きな話題になっていることを指摘している。
米国の大手ファストフード チェーンのバーガーキングは、2019年末までに米国内で大豆ベースのハンバーガーを発売する予定だ。また、マクドナルドも、大豆などの植物性食品を使ったハンバーガーを2019年9月に試験的に発売した。
「ビヨンド ミート」は、大豆やエンドウ豆などを主原料として、「本物の肉と同じ味の食品」を目指して開発された。植物だけを使用しているが、焼くと肉汁が滴り、匂いも肉そのものだという。
ケンタッキーフライドチキンやダンキンドーナツなどの外食チェーンも、牛肉や鶏肉の代わりに大豆を使ったメニューを検討中だ。こうした動きは、動物性食品よりも植物性食品の方が健康に良いというイメージが広まった結果として起きたもので、今後も米国で拡大しそうだ。
大豆は栄養価の高い「天然のサプリメント」

タンパク質 |
カルシウム |
食物繊維 |
イソフラボン |
Nutrition researchers track down how soy reduces diabetes risk(マサチューセッツ大学 2009年10月1日)
Heart-healthy effects of soy consistent over time, University of Toronto meta-study finds(トロント大学 2019年6月27日)
Soy product and isoflavone intakes are associated with a lower risk of type 2 diabetes in overweight Japanese women(Journal of Nutrition 2010年3月)
Beyond Meat - The Future of Protein
Soy isoflavones lower serum total and LDL cholesterol in humans: a meta-analysis of 11 randomized controlled trials(American Journal of Clinical Nutrition 2007年4月)
大豆及び大豆イソフラボンに関するQ&A(厚生労働省)
[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所
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