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腰痛の原因は精神的なストレス 自分で簡単にできる腰痛の治し方
2015年09月06日
カテゴリー:2015年 運動療法 

 中高年から若い人まで、多くの人を悩ませている腰痛は、精神的なストレスが原因となり発症することが多い。ウォーキングやストレッチなどの運動は、腰痛を予防したり再発を防止するために効果的だ。
精神的なストレスが腰痛の原因に
 中高年や高齢者から、働く女性や家庭の主婦、「歳のせい」と言われるにはほど遠い若い人まで、多くの人を悩ませている腰痛。腰痛が体の不調の原因となり、悩んでいる人が多いが、その8割は医療機関で検査しても痛みの原因となる異常がみつけられないという。

 腰痛の原因として、骨や筋肉に異常がある「器質的要因」がある。背骨の骨と骨の間にある椎間板が突出して神経を刺激し痛みが起こる「腰椎椎間板ヘルニア」は腰痛の主な原因だ。しかし、こうした体の異常がないにも関わらず、腰痛が3ヵ月以上続く「慢性腰痛」を発症する人が多い。

 そこで、腰痛を引き起こす因子として注目されているのが心理社会的要因、すなわち心身のストレスだ。治療を受けても痛みが続く場合には、ストレス・不安・うつなどの心理的要因が影響している可能性がある。

 ストレスの原因は、職場や家庭の人間関係、仕事の内容などさまざまだ。こうしたストレスにさらされていると、脳が痛みを抑え込む「下行性疼痛抑制系」という仕組みが働きにくくなる。この仕組みが正常に働いている場合は、痛みの信号が脳に伝わると、脳内に「ドーパミン」という神経伝達物質が放出される。すると、「オピオイド」という鎮痛作用のある物質が放出されて、脳への痛みの信号が抑えられる。

 ところが、長くストレスにさらされていると、痛みの信号が脳に伝わっても「ドーパミン」が放出されず、神経のバランスを保つ「セロトニン」という脳内物質の分泌も低下する。その結果、疼痛を抑制する仕組みが機能しなくなり、わずかな痛みでも強く感じたり、痛みが長引いたりしてしまうようになる。

「また腰痛になるのでは」という不安が悪循環につながる
 東京大学医学部附属病院22世紀医療センターの松平浩氏らは、軽い腰痛をもっている日本人1,675人を対象に調査を行った。その結果、多くの人が「仕事に対する満足度が低い」「上司のサポート不足」「週労働時間が60時間以上」「日常生活や仕事に支障をきたした経験のある人が家族にいる」といった問題を抱えており、ストレスが過剰にたまっている傾向があることが判明した。

 職業では専門職、事務・技術職などが多かった。「前かがみの姿勢、座位での猫背、腰を反らした状態が続くと、腰への負担が増し、それが引き金になって、椎間板の中央にある髄核が前後、あるいは左右にずれて、痛みや違和感を生じやすくなる」と、松平氏は言う。

 これに、人間関係や仕事のストレス、腰痛に対する恐怖や不安などが加わると、痛みを抑えるオピオイドなどの物質の分泌が低下し、腰痛が慢性化したり再発するなど、悪循環に陥りやすくなる。

 特に「また腰痛になるのでは」という不安や恐怖から過度に腰をかばってしまう「恐怖回避思考」は、腰痛の悪化につながりやすい。この思考そのものも心理的ストレスになるが、腰をかばい過ぎて体を動かさなくなると、脊椎や周辺の筋肉の柔軟さが損なわれ、かえって体の痛みが生じたり、髄核がずれた状態で固定され、腰痛が治りにくくなったり、再発するリスクが高まる。

運動で腰痛とストレスの両方に対策
 悪循環を断つカギは、楽観的に痛みと向き合い、ウォーキングやストレッチなどの運動を行うことだ。運動は腰痛の予防や再発防止にも有効であることが分かっており、日本整形外科学会の「腰痛診療ガイドライン」には「慢性腰痛に対して運動療法は有効である」と明記されている。

 これまで腰痛に対する運動療法では、腹筋や背筋を鍛える運動が行われることが多かったが、最近注目されているのは、腹筋や背筋の中でも特に深部の筋肉(コアマッスル)を鍛える運動だ。こうした運動によって、腰の可動性と安定性を高められ、腰痛の改善に効果的であることが分かってきた。

 米国医師会が発行する医学誌「Archives of Internal Medicine」に発表された研究では、週に75分のヨガやストレッチを取れ入れたコアマッスルを鍛える運動を12週間続けると、腰痛を軽減できることが明らかになった。

 腰痛があるからといって体を動かさないでいると、筋肉の委縮が起きて活動性が低下したり、精神的に落ち込んだりして、生活の質が低下しがちになる。生活の質を保つためにも、積極的に運動を生活に取り入れることが大切だ。

深部の筋肉を鍛えるトレーニング
1日3~5セット程度行う。
1. 両手と両ひざの間隔を肩幅程度に開いて、四つんばいになる。
2. 右腕を水平に前に上げ、5秒間保ち、もとの姿勢に戻る。
3. 左脚を後ろに上げひざを伸ばし、5秒間保ち、もとの姿勢に戻る。これを左右交互に行う。
4. 慣れてきたら、右腕を前に上げ、左脚を後ろに伸ばす姿勢を保つ。左右交互に行う。
※運動はご自身の体調に合わせて無理なく行ってください。

東京大学医学部附属病院22世紀医療センター
Potential Risk Factors of Persistent Low Back Pain Developing from Mild Low Back Pain in Urban Japanese Workers(PLOS One 2014年4月8日)

[ Terahata ]
カテゴリー :2015年  運動療法  

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