ネットワークアンケート
糖尿病の医療費に対する負担感
診察費や薬剤費に加え、合併症を確認する検査費用、自宅で行うインスリン注射や血糖自己測定のための費用、食事や運動指導料など、なにかと費用がかかる糖尿病の医療費。患者さんはどう感じておられるでしょうか。
今回のアンケートは、746名(患者さん 588名、医療スタッフ158名)にご回答いただきました。糖尿病ネットワークより、国際糖尿病支援基金に お一人50円分、合計37,300円の寄付をおこないましたのでご報告申し上げます。ご協力ありがとうございました。
患者さん・ご家族に聞きました
患者さんの医療費負担「1万円〜2万円」が最多
患者さんに月にどれくらい糖尿病に関する医療費を負担しているか聞いたところ、「1万円〜2万円」が45%と最も多く、次いで「5,000円〜1万円未満」が25%、「5,000円未満」が18%という結果になりました。「3万円〜4万円」と答えた人も1割いました。
現在、糖尿病に関する医療費(薬代を含む自己負担額)は、月にどれくらいかかっていますか?
ただし、糖尿病の医療費は病気の進行や治療法によって大きく異なります。治療内容別に見てみると、「食事・運動療法のみ」という患者さんでは「5,000円未満」が7割と最も多く、「食事・運動・薬物療法」をおこなっている患者さんでは「5,000円〜1万円未満」が4割、「5,000円未満」は3割でした。一方、「インスリン治療」をしている患者さんでは「1万円〜2万円」という人が最も多く6割。3万円以上という人も1~2割いました。
糖尿病の医療費48%が「とても負担」
こうした糖尿病の医療費に対して、患者さんはどれくらい負担に感じているでしょうか。アンケート結果によると、約半数が「とても負担」と回答。「まあまあ負担」と合わせると9割にも及びました。
しかし、この負担感も治療内容によって大きく異なります。「とても負担」と答えた人の割合は、「食事・運動療法のみ」の患者さんでは約1割だったのに対し、「食事・運動療法・薬物療法」の患者さんでは約3割、さらにインスリン療法が加わると約6割と増えることがわかりました。
糖尿病に関する医療費(薬代含む)を負担に感じますか?
理想の医療費は5,000円未満。血糖測定やインスリン注射の費用に不満の声
では、患者さんは1カ月にいくらくらいの医療費であれば負担がないのでしょうか。患者さんに聞いてみたところ「5,000円未満」という声が6割、「5,000円〜1万円未満」が3割でした。
医療費(薬代を含む自己負担額)は、1カ月にいくらくらいまでなら、負担なく治療を続けられると思いますか?
医療費に対して不満に感じる理由を教えてください。(自由記述の一部をご紹介します)
- ・1型のため、インスリンは不可欠なのに、薬価を見て、治療法を考えてしまう。
- ・もっと頻繁に血糖値を測ってコントロールしなきゃと思うけど、測る時のチップや注射針にもお金がかかるので、もったいないと思ってしまう。
- ・20歳までは小児慢性特定疾患で月額上限があるが、20歳を超えるとそれば無くなるため不安です。
- ・薬の種類が多い 8種類以上!
- ・実際の診察は処方箋を貰うだけ。慢性病に何故高額金を払い続けなければならないのかと不満。
- ・指導料という名前なのに指導は最初以外ほとんど行われない。
- ・合併症予防のために眼科受診、歯科検診などもあり金額が嵩む。
- ・自己測定の検査紙が高い。
- ・インスリン治療をしていないと自己測定器に関わる費用が保険適用にならないこと。
- ・とにかくインスリンポンプはお金がかかる。なんとかしてほしい。
実施時期:2021年 1月
調査方法:インターネット調査
対 象:「糖尿病ネットワーク」「糖尿病リソースガイド」メールマガジン会員
<回答者の属性>
患者さんやその家族 588 名
病 態:1 型糖尿病 254名、2 型糖尿病 322 名、その他の糖尿病 12名
モデルケースをご紹介しながら、糖尿病患者さんの入院医療費について考えます。
※ヘモグロビンA1c(HbA1c)等の表記は記事の公開時期の値を表示しています。
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