糖尿病 男の悩み ―糖尿病と性機能低下―
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糖尿病3分間ラーニング
糖尿病専門医の立場から

2. 糖尿病で性機能障害になる人、ならない人

清野 弘明

D. 血管や神経の障害が進みやすいのは、どんな人?

 では、糖尿病で血管と神経の障害が速く進むのは、どんな人、どんなときでしょうか? 言い換えれば、糖尿病の合併症が起きやすいのはどんな人か、ということです。

a. 血糖や血圧のコトンロールが悪いと合併症が進みやすい

 実は、どんな患者さんに合併症が起きやすのかは、もう明らかになっています。それは、血糖値が高い人、そして、その状態が長く続いている人です。端的に言うと、糖尿病の治療が良くない人です。また最近では、血圧のコントロールも重要であることがわかってきました。

 高血糖と高血圧は、ともに血管の壁に負担をかけて、血管障害を進行させる危険因子です。しかし、注意なければいけないのは、高血糖(糖尿病)も高血圧も、ともに自覚症状がほとんどないということです。

 自覚症状にほとんど現れず、本人が気付かないまま合併症が発症・進行することが、糖尿病や高血圧の怖さです。網膜症や腎臓の自覚症状に気付いたときには、もう病気がかなり進行してしまっているケースが少なくありません。

b. 勃起機能の低下は、合併症のサインの可能性もある

 ここで話をEDに戻して考えてみましょう。

 まず、EDの症状について。これは、多くの人が勘違いされているようなのですが、なにも、全く勃起しない状態だけがEDなのではありません。勃起はするもののの長続きしない、いわゆる「中折れ」もEDの症状です。また、勃起の固さが弱くなってくるのもEDです。このような症状が、ときにはよくなり、ときにはひどくなりしながら、徐々に進行するのがEDという病気の特徴です。

 糖尿病のED以外の合併症は、症状の進行をご自身で確認することが難しいものが少なくありません。例えば、網膜症による視覚障害などは、ある日突然、起きたりします。動脈硬化による心筋梗塞や脳梗塞もそうですね。その点、EDは自覚症状の変化を自分で把握しやすいと言えます。

 これは、非常に重要な意味をもっています。全身の血管のうちの末梢血管の異常による障害の一つがEDだと考えた場合、EDが糖尿病の合併症の初期症状である可能性もあるからです。

 今もって「EDになったって、自分には関係ない」とおっしゃる患者さんもいらっしゃいますが、決して関係ないことではなくて、EDの症状が現れ始めたということは、全身の血管または神経に障害が起き始めている、つまり、合併症が起き始めているサインなのかもしれません。

©清野 弘明

もくじ

2012年4月からヘモグロビンA1c(HbA1c)は以前の「JDS値」に0.4を足した
「NGSP値」で表わされるようになりました。過去の記事はこの変更に未対応の部分があります。

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