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2011年11月29日
脂肪はより少なく、食物繊維はより多く 野菜や全粒粉を摂ろう
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- 食事療法
食物繊維を十分にとる食事は、若者の心疾患や2型糖尿病の危険性を低下させるという、米ミシガン州立大学の研究チームによる研究が発表された。
研究者らによると、野菜や穀類を中心とした食物繊維が多く栄養価の高い食事は、コレステロールや飽和脂肪酸を制限した食事よりも、高血圧や腹部脂肪の蓄積などの危険因子が重なり発症するメタボリックシンドロームの危険性を抑える点で有利だという。この研究は米国栄養学会の学会誌に発表された。
食物繊維を十分にとる食事の方が有利
研究チームは1999年〜2002年に行われた米国健康・栄養調査(NHANES)の12〜19歳の少年少女2128人のデータをもとに、食事とメタボとの関連を検討した。食物繊維の摂取量がもっとも少ないグループのメタボのリスクは9.2%で、もっとも多いグループの3.1%に比べ3倍高いことが分かった。一方で、飽和脂肪酸やコレステロールの摂取量とメタボのリスクには有意な関係性が示されなかった。
「食物繊維が十分に含まれる栄養価の高い食事には、ビタミンやミネラルなどの微量栄養素も豊富に含まれ、心臓血管の健康のためにも好ましい。メタボの危険性を抑えるために、食物繊維の摂取量を増やすことが有利であることはあきらかだ」とミシガン州立大の心臓血管・スポーツ栄養学部のJoseph Carlson氏は話す。
「飽和脂肪酸が悪玉(LDL)コレステロールを上昇させることはよく知られている。10代の若者が飽和脂肪酸やコレステロールの多い食事をとっても良いというわけではないが、我々の研究では食物繊維の多い食事をとった方がより効果的であることが示された。一般的には飽和脂肪酸やコレステロールを抑えた食事が健康的と思われがちだが、実際には食物繊維を十分にとる食事に着目した方が有利かもしれない」とCarlson氏は説明する。
若い頃に身についた食習慣は中高年以降も続く
現代の食生活では加工食品を利用する頻度が高いが、飽和脂肪酸やコレステロールの摂取を減らすことは決して難しいことではない。しかし実際には、米国の栄養調査によると、若者は糖質の多い清涼飲料やジャンクフードから30%を摂取し、穀類や野菜を原料とした食物繊維の多い栄養価の高い食品を十分にとれていないという。
若者の平均的な食生活では、野菜、果物、全粒粉、豆類の摂取量が少ないために、食物繊維の摂取量は1日約13gにとどまっている。一方、食物繊維の推奨される摂取量は、10代の男女ではそれぞれ38gと26gとなっている。
メタボや2型糖尿病と関連の深い肥満などの危険因子は、若い頃の生活習慣により形成される。高血圧、高血糖、高コレステロール、低HDH(善玉)コレステロール、過剰な腹囲周囲径といった危険因子のうち3つ以上をもっている人がメタボと判定される。研究によると、10代の若者の70%以上は危険因子を1つ以上をもっているという。こうした若者が齢をとり中高年になると、2型糖尿病などの生活習慣病を発症する危険性が高まる。
「心疾患の発症を予防するために、どのような食事をすると、食物繊維の摂取を増やすことができるか、有効な対策を考えださなければならない段階にある。食事は楽しみが伴わないと長続きしないが、多くの人は食事に楽しさと簡便の両方を求めている。我々は、食事の食物繊維の摂取量を高めるために、野菜や穀類など多彩な食材を使った料理を取り入れることを推奨し、テイクアウト中心の外食産業などに働きかけている」とCarlson氏は述べている。
例えば、野菜や果物の摂取量が少なくて、1日3サービング程度(食物繊維12g)しかとれていない人では、1サービングを豆類にすると食物繊維は7g追加でき、3サービングを全粒粉にすると食物繊維を30gに増やすことができるという。
More fiber, but not necessarily less fat, good for teen diets(ミシガン州立大学 2011年11月10日)
[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所
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