尿糖チェックで糖尿病コントロール
2012年03月13日
ベルランド総合病院内分泌・代謝科(4)
——"尿糖が出てるから、食事を改めよう"と次の行動に活かせるかどうかが大切ですね
Dr.八木: 食後(食事を始めてから約2時間後)すぐに測って、即時に判定し、何を食べたら上がったかがその場でわかるというのが便利ですよね。例えば、炭水化物の多い食事を2食続けて食べたらすごく上がった!というのがわかったら、ご飯や麺類を少なめにして、野菜やおかずをゆっくり食べれば上がりにくいんだ、など食事メニューを再検討する動機付けにつながったりするわけです。SMBGを行っていない患者さんへ、食事を再検討しなさいと言ってもピンとこない方も多いのですが、こうやって数値を見るだけで再検討のきっかけとなるんですね。尿糖を測定して食事を見直すという方法は、とても有効だと感じています。
——数値を見て、納得しながら食生活を改善していくわけですね
Dr.八木: 食事によって尿糖の数値がこんなに違うというのを見ると面白いですよ。食事の中身ってもっと考えなくてはいけないなと改めて感じます。通常、食事といえば、エネルギー量しか意識していないことも多いですからね。ですから、食事の内容、質に注目してもらうためには、尿糖チェックは有用なツールだと思いました。
——自分の状態をチェックできる指標があると、よい行動変容のきっかけになりますね
Dr.八木: 糖尿病患者さんには、いろんなバリエーションがあって、熱心できちんとやる方もいれば、面倒臭がりでルーズな方もおられます。熱心にやる方では、自費でSMBGを行っていたりもするのですが、侵襲性や経済面からできない方もいて、尿糖測定のような方法がフィットするとすごく効果に表れることもあるわけですね。コツコツまめに測り、その後に改善へ移す思考力・行動力を持てるかどうかは、とても重要なんです。その手段(ツール)は、血糖でも尿糖でも体重計であっても同じです。レコーディングダイエットもそういうことですよね。
——尿糖チェックの有用性について、お考えをお聞かせください
Dr.八木: 私が感じている尿糖チェックの有用性をまとめてみますと、以下のようなメリットが考えられると思います。
デジタル尿糖計「UG-201」(タニタ)
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- 簡便で誰でも使える。
- 直近に摂った食事と直結してイメージできるので、食事の振り返りに有効。
- 自分のコントロール状態を手軽に把握できる。
- 食後高血糖の有無を把握できる。
- SMBGの負担軽減に活用できる可能性がある。
もくじ
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