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2.発表者インタビュー
2.発表者インタビュー
−−尿糖測定を行っている方は、毎日測定している方が多いのでしょうか

小野澤さん:
 パターンがわかってくれば、必ずしも毎日、毎食測定しなくてはいけないわけではありません。人によりますが、現在の状態が目で見てわかるので、それが面白いと思うと、毎日毎食、測るようになる人もいますね。

安部先生:
 尿糖測定は、家でも会社でも、外出先でも、トイレがあればできます。人の目を気にすることもありません。

−−尿糖測定のメリットはどういうところにあると思いますか?

安部先生と小野澤さん

安部先生:
 血糖値はCGM(血糖持続測定)の結果からもわかるように、瞬間瞬間で変わっていきます。しかし、尿糖値は、尿を貯めた時間分の反映が見られるので、それを丁寧に見ていくことで、モニタリングの指標として使いやすいと考えています。

小野澤さん:
 尿糖測定の結果を一緒に振り返っていきますので、患者さんとのコミュニケーションが増えます。自然と患者さんとの関係が濃密になるので、信頼関係を構築することにも役立つと思います。

−−腎閾値を越えると尿糖が出るわけですよね

安部先生:
 人にはそれぞれの閾値があります。腎閾値(腎からの尿糖排泄閾値)とは、腎臓から尿に糖が排泄される血糖の値です。一般的には、血糖値が160〜180mg/dLを越えると尿糖が排泄されます。

 しかし、人によって、血糖値が160mg/dLを越えると出てしまう場合や、腎性糖尿のように140mg/dLくらいで出てしまうような人もいます。また、閾値が180mg/dLや、200mg/dL以上でないと出ないような糖が出にくい人、220mg/dLでも、尿糖はマイナスという人など個体差がありますので、ご自分の閾値を知る必要があります。

−−尿糖測定から、どのようなことがわかりますか?

小野澤さん:
 尿糖測定は、食事の前に排尿し、食後1時間から2時間後に排尿して測定するという、食後の第一尿で血糖値の変化を見る方法が1つ。他には、運動療法の効果を見たい場合には、運動前に排尿をして、運動後に尿糖値を測っていただくとうい方法。こういった変化を知ることで、運動療法へのモチベーションにつながった方も多くおられます。

 血糖値や尿糖値で振り返りができると、そのことによってさらに自分の行動に変化が表れ、自分の生活の中に食生活の改善や運動習慣を積極的に取り入れる動機付けになる、ということが大きなポイントです。あとは、患者さんの意識としては、血糖にしても尿糖にしても、"自己測定を行う"こと自体が改善行動になっていると思います。

 また、患者さんから声があがったことですが、薬を使ったときの尿糖値と、飲み忘れたときの尿糖値が違うということで、薬の効果についても振り返りに使えることがあります。それから、同じ薬を使っていても、食事の量によっては、その後からの上昇がみられるということ。それがとても、新しい気付きでした。

安部先生:
 血糖値のピークは、インスリンやSU薬を使っているほど、どちらかというと後ろの方にズレている人が多い傾向にあります。ですから、血糖値を見ただけでは、治療がうまくいっているのか、そうでないのかがわかりません。しかし、尿糖の場合、食後の2時間くらいで測定すると、少なくともその2時間の血糖値が良かったのか悪かったのかということがわかるんです。血糖が180mg/dL以下で抑えられていたのか、それとも200mg/dL以上あったか、という振り返りのチェックに有用です。

−−尿糖測定でHbA1cを予測できるという話もありました

小野澤さん:
 2009年の第53回日本糖尿病学会学術集会(JDS岡山)でも発表しました。尿糖測定を毎日行う中で、ご自身のパターンや変化を掴んだ患者さんの中には、HbA1cの予測までできるようになったと教えてくれた方もいます。

−−その予測した数値というのは、実際と比べるといかがでしょうか

小野澤さん:
 かなり正確でした。例えば、モニタリングをしていない方は月に一回、来院時のみの測定になりますよね。今までは、通院日にしか自分の状態はわからなかったけれど、毎日尿糖を測定している方は、全体像が見えてくるようですね。

−−どういう形で予測を立てていくのでしょうか

小野澤さん:
 例えば食事の前だったら、昨日に比べて今日はどうだったかとか、レコーディングダイエットと同じです。ある一定のラインを引いて、高かったのはどうして?ということを探っていくと、ご自分の血糖コントロールの状態がわかってくるようです。例えば、食後の尿糖値はいつも300mg/dLくらいだけど、今日は200mg/dLまで下がっている、といったことが読み取れるようになってきます。

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2011年07月 

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※2012年4月からヘモグロビンA1c(HbA1c)は以前の「JDS値」に0.4を足した「NGSP値」で表わされるようになりました。過去のコンテンツの一部にはこの変更に未対応の部分があります。

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