尿糖チェックで糖尿病コントロール

2011年07月04日

2.発表者インタビュー 5)尿糖測定の応用と今後の可能性

――今後、尿糖測定はどのような応用が考えられますか?

安部先生:
 もっと欲張って活用の幅を広げたいというのが正直な気持ちです。

 今後、新しい可能性として考えられることでは、1型糖尿病患者さんのように、1日に何度も血糖を測定しなければならない方々に、尿糖チェックを活用していただけるようになるといいなと思います。ちょっとトイレに行って、さっとおしっこをかけて測定し、この2時間がうまくいったとかどうかの確認ができます。SMBGとの効果的な組み合わせというのは考えられないだろうか。ただ、低血糖はSMBGで見るしかないですが。

――血糖自己測定の回数を、少し減らすことができるわけですね

安部先生:
 当然そうですね。食前にインスリン注射を射つときに排尿し、食後2時間位で排尿したときに尿糖をチェックすれば、先ほど射ったインスリンの効果がわかるわけです。うまくいったなーとか、足りなかったかなーとか。そんな使い方も検討していけるとよいですね。

小野澤さん:
 あと、妊娠糖尿病の患者さんにも、上手に利用していただけるといいな思っています。合併妊娠のある方は、SMBGがよいと思うのですが、ただ単に妊娠中の期間だけチェックしたいという方には適していると思います。

――ありがとうございました

■Profile

●清水内科 ⇒ホームページはコチラ
 年間延べ2千数百名の糖尿病患者さんを抱える糖尿病専門病院。日本糖尿病学会での発表や著作も多く、30年以上交流の続く患者の会「きしゃご会」や、きしゃご(おはじき)を使った糖尿病食事指導なども有名。

●安部 純 先生 (前列右から2番目)
 群馬大学医学部卒・同第一内科入局、富岡厚生病院、小海赤十字病院などを歴任し、清水内科副院長就任。平成11年より同院院長、現在に至る。日本糖尿病学会専門医、群馬県糖尿病協会理事・指導医、きしゃご会指導医、群馬県糖尿病メディカルスタッフの会(グメスの会)会長、群馬県有床診療所協議会副会長、群馬県臨床内科医会副会長など。

●小野澤しのぶ さん (左端)
 管理栄養士、糖尿病療養指導士。

«前のページへ  |  1)  |  2)  |  3)  |  4)  |  5)  | 

※ヘモグロビンA1c(HbA1c)等の表記は記事の公開時期の値を表示しています。

Copyright ©1996-2024 soshinsha. 掲載記事・図表の無断転用を禁じます。
治療や療養についてかかりつけの医師や医療スタッフにご相談ください。

このページの
TOPへ ▲